追うは「東大と甲子園」の二兎…坂本勇人の恩師も太鼓判の茨城発“最強留学生スラッガー”李玟勳って何者?「いまは野球と勉強が彼女です」
東大合格と甲子園出場。この文武両道の最高峰とも言うべき高い壁に挑んでいる台湾人留学生・李(リ)玟勳(ブンシュン)。いったい彼はなぜ日本に来て、捕まえることが途轍もなく難しい二兎を追うのか。そこには、開拓者精神に満ちた純真な想いがあった。「打つのはかなりのレベルにまでなってきましたし、人間性も最高ですよ」 【写真】「えっ、何頭身なの…?」185cmの長身“東大志望”李玟勳のモデル顔負けのスタイルと朴訥フェイス。試合での迫力のフルスイングに、坂本勇人の恩師である金澤監督との2ショットも見る 李について称賛を惜しまないのは、茨城の私立明秀学園日立高校(以下、明秀日立)を率いる金沢成奉監督(57歳)だ。 東北福祉大卒業後、高校教諭・高校野球の指導者となり、青森・光星学院高時代は県勢として31年ぶりの甲子園4強入りに加え、坂本勇人(巨人)ら多くのプロ野球選手を輩出してきた。その後、明秀日立の監督に就任すると、甲子園初出場や全国16強入りに導くとともに、細川成也(中日)と増田陸(巨人)をNPBに輩出した。
名伯楽が4番に据える「留学生スラッガー」
そんな選手育成、特に打撃指導に長けた金沢監督が、現在チームの4番に据えているのが李だ。 李は会社経営をする両親のもとに台湾で生まれ、3兄妹の長男。週末に遊びでソフトボールをしていた父の影響で自然とバットとボールを握っていた李は、小学校に入学するとすぐに野球部へ入部。家のテレビでは野球中継が映っていることが多く、日本のプロ野球やWBCを食い入るように見つめた。特に延長戦にもつれ込む激闘となった2013年WBCの日本対台湾の試合は、今も脳裏に焼き付いている。 そして、春と夏には甲子園大会のテレビ中継を見て日本の高校野球に憧れた。また、台湾での高校野球は生活が野球に偏重しがちということもあり、学業が優秀だった李は文武両道の環境を求めて海を渡ることを決意した。 台湾には日本の野球界との架け橋になっているACEプログラムというものがあり、そこで留学をサポートするチャオ・スンウェイさんと明秀日立・金沢監督に縁があり、入学。来日当初、驚いたのは豊富な練習量だったという。 「台湾の友達は“1日200本振ったら多いほう”と言うのですが、ここで一番振ったのは1日2500本です。そこまで多いことは稀ですが、冬場は毎日1500本は振っています。素振りだけの数です。台湾の友達は“信じられない”と言いますね(笑)」 最初に帰省し、日本に戻ってきた時は少しホームシックになったというが、1学年上の台湾人留学生3人に激励してもらい、同期にも黄宇耀という同郷出身者がいたこともあって、支え合いながら腕を磨いてきた。 今やチームの中心選手。一塁手としては投手や周囲に頻繁に日本語で声をかけ、金沢監督の指示の細かいニュアンスを他の留学生に噛み砕いて通訳することもある。そして4番打者として力強い打球を放ち、あらゆる面でチームになくてはならない存在となっている。
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