【朝日杯FS】2歳戦に強いデインヒル、タフさに優れたノーザンテーストの血に注目 有力馬の血統解説
有力馬の血統を解説
・アルテヴェローチェ 母母クルソラはアルゼンチンの芝2000mGⅠを2勝した名牝で、繫殖牝馬としてもピオネロ、クルミナル、セレシオンといった重賞好走馬を輩出。また、母クルミネイトは未勝利馬ですが、同馬はクルミナルの全妹にあたります。 クルミネイトの初仔である本馬はモーリス産駒の比較的小柄な牡馬。Lyphardの5×5・5譲りの機動力が持ち味で、前々で運べれば舞台を選ばずに堅実な活躍を見せてくれるでしょう。ただ、晩成傾向の強いモーリス産駒でもあるだけに、本格化は古馬になってからではないでしょうか。 ・ミュージアムマイル 4代母ハッピートレイルズに遡る名牝系に属し、母ミュージアムヒルは芝1600mで3勝。キングカメハメハ父系×ハッピートレイルズ牝系にはコディーノ=チェッキーノを筆頭に多くの活躍馬が出ており、幅広い舞台で活躍できる優等生タイプが多い点も同配合の特徴です。距離は中距離がベストですが、ノーザンテーストの血を引く距離短縮馬という点は今の荒れた馬場に合っていそうです。 ・エルムラント 今年のメンバーでは数少ないデインヒル持ちの注目血統馬。母エクシードリミッツは芝1200m以下で3勝を挙げたデインヒル系Exceed And Excel産駒のスプリンターで、父がフィエールマンの本馬も筋肉質な馬体を有しています。距離は1600m前後がベターで、ハイペースの芝2000m戦からの条件替わりは大幅なプラス材料となりそうです。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大