秋だけじゃもったいない!コスモスは春から楽しむ
『趣味の園芸』2023年3月号の「一年草で花いっぱい」特集では、園芸研究家の島田有紀子さんに、春まき一年草のタネまきのコツを教えていただきました。こぼれ話では、春まき一年草のタネまきの魅力を、さらに詳しく伺います。前編では、島田さんおすすめの春まき一年草4品種を紹介していただきました。 後編では、コスモスのおすすめ品種や楽しみ方についてお聞きします。 みんなのコスモスの写真 編集部(以下、編):コスモスといえば、秋のイメージが強いです。 島田有紀子(以下、島):たしかに代表的な「秋の花」です。夏にまいて秋に咲かせるのが一般的ですが、私は春にまいて夏に咲かせるのも珍しく、おもしろいと思います。 まずは、やはり好みの品種を選ぶことができる点が大きなメリットです。おすすめを3品種紹介します。
【おすすめのコスモス①】'カップケーキ'シリーズ
魅力は何といっても花形! 花弁の基部がくっついてカップ状になっていて、よく見るコスモスのイメージにはない花形です。半八重で、花弁の縁に細かい切れ込みが入るのがまたきれい。まさにカップケーキのようなかわいらしいコスモスです。見た目の繊細さとは裏腹に、丈夫で直まきしてもよく育ちます。
【おすすめのコスモス②】'センセーション'
見た目はいたって普通のコスモスですが、多々あるコスモスの品種の中でも、最も強健な品種のひとつです。広い面積にまいて、コスモス観光地のような風景をつくるのに最適! 草丈1mを超えるので花の迷路にも。大きすぎて困る場合はお盆くらいにタネをまくと70cmほどに抑えられます。
鉢で栽培するなら、'ドワーフセンセーション'(わい性センセーション)というコンパクトな品種もあります。
【おすすめのコスモス③】'キャンパス'シリーズ
遅咲き性の代表品種で、コスモスでは珍しい黄花('イエローキャンパス')があります。短日開花性が強く、お盆以降にまかないといつまででも開花せずに草丈が大きくなりすぎてしまうので注意しましょう。'オレンジキャンパス'もあり、2色を混植すると黄色とオレンジの花がちらちらと咲いて、秋にぴったり。紅葉をイメージさせるこの色を、ぜひ秋に咲かせたいですね。