秋だけじゃもったいない!コスモスは春から楽しむ
コスモスは品種によって遅咲き、早咲きがある
編:どの品種もかわいいですね! 'カップケーキ'シリーズの花形に驚きました。ところで、'キャンパス'シリーズは「遅咲き性」とのことですが、品種によって遅咲きと早咲きがあるのでしょうか。 島:そうです。コスモスには、遅咲きの品種と早咲きの品種があります。コスモスは本来、夜の長さが長くなると花芽をつくる短日植物です。かつては、夏にタネをまいて短日期の秋に花を咲かせる、遅咲きの品種が一般的でしたが、品種改良の末、日長にあまり影響されることなく開花する「早咲き系」といわれる品種が登場し、現在は主流となっています。 早咲き系品種であれば、春や夏にタネをまいても45~90日で開花するため、夏でも花を楽しめます。今回紹介したなかでは、'キャンパス'シリーズ以外の2品種は「早咲き系」です。 ちなみに、45~90日と開花までの期間に幅があるのは、品種による違いのほか、早咲き系品種であってもやはり短日性が少しは残っていて長日期にまくと開花までの日数がやや長くなるためです。
ただし、タネ袋に必ずしも早咲き・遅咲きの区別が書かれているとは限りません。タネ袋の裏に書かれている開花期をチェックしてみましょう。開花期に夏も含まれていれば早咲き系(夏咲き系ともいう)、10月以降だけであれば遅咲き系(秋咲き系ともいう)です。
編:知りませんでした! 秋でなくてもコスモスの花が楽しめるのは嬉しいです。 島:遅咲き系の品種も、時期をずらしてタネまきしてみると面白いですよ。遅咲き系は短日性が強く、1日の夜の長さが約11時間以上続かないと花芽をつくりません。いつタネをまいても、開花は秋から始まります。 花芽をつくり始めるまで草丈は大きくなり続けるので、早くまけば開花時の草丈は大きくなり、逆に遅くまけば低い草丈で開花します。具体的には、4月にまけば2m以上、6月にまけば1.5m以上に、7月にまけば1m程度、8月にまけば50~80cmが草丈の目安です。また、先ほど言ったように、早咲き系の品種も少しは短日性が残っているので、4~5月にまけば高く、6~7月にまけばほどよく、8~9月にまけば低くなります。 いずれも摘心を行えば、春~夏にタネまきした場合でもコンパクトに楽しむことができます。草丈が15cm程度のころに茎の先端の芽を摘み(摘心)、さらに好みによって摘心を数回繰り返すと、養分が下方に降りて株がどっしりとするとともに、草丈が低く、わき芽の発生が促されて花がたくさん咲く株になりますよ。 編:遅咲き系のタネまきも楽しそうですね。