増える「不登校」――“もう1つの居場所”が中学校に3年女子「ポジティブな感情に」無事に卒業…校長のエールは『every.特集』
■2回目の卒業式に9人 無事に証書が
この場所で過ごした6か月近い日々。女子生徒は、様々な大人や生徒と触れ合えました。その中で、未来への希望が持てるようになったといいます。「中学で青春っていうの、あんまりなかったなって。高校ではそういうの楽しみたいなって」 高校進学は決まっています。高校では青春を楽しみたい―。彼女はそう考えています。迎えた3月の卒業式。会場に彼女の姿はありませんでした。式が終わると、看板は校内の別の部屋へ移されました。不登校など様々な事情を抱える生徒に合わせ、この学校では卒業式を1日に3回行いました。 午後2時頃。彼女は2回目の卒業式に母親と参加しました。この回の生徒は9人。彼女にも卒業証書が渡されます。名前を呼ばれると「はい」と答え、佐藤校長は「おめでとうございます」と門出を祝いました。
■笑顔の新しい春…「高校で頑張ろう」
無事に卒業。先生や NPO のスタッフに支えられ、学校には最後まで通うことができました。そんな彼女たちに向けて校長先生は、こうエールを送りました。「今日、卒業証書を渡せて良かったと感じています。頑張って、頑張って、頑張る必要ないんだよ。周りが誰かしら支えてくれるので」 学校を去る間際、女子生徒はみんなと安心して過ごせたあの場所へ。この日は誰もいません。「『あ、今日(居場所が)あるから行こう』って。ポジティブな感情になれる(場所)。中学校でこういう場所があったからこそ、高校で頑張ろうと思える」 校門の前で笑顔を見せた彼女に、もうすぐ、新しい春が訪れます。 (3月27日『news every.』より)