増える「不登校」――“もう1つの居場所”が中学校に3年女子「ポジティブな感情に」無事に卒業…校長のエールは『every.特集』
■増える不登校…「教員だけでは不可能」
全国的に不登校の生徒が増える中、この学校も例外ではなく、対応が追いつきません。 佐藤高彦校長 「(全校生徒の)10%を少し超えています。教員だけで十分な手を差し伸べるのは不可能だと思います」 教室に入れない生徒や完全に不登校の生徒は、どのクラスにも数名はいるといいます。それぞれのクラスの担任は、日々の業務に加え、電話や家庭訪問などの対応に追われています。そこで、子ども食堂や学習支援など地域の居場所づくりを行うNPOに協力を呼びかけました。
■「先生の力に」…生きるNPOのノウハウ
豊島子どもワクワクネットワーク・栗林知絵子代表 「先生たちの思いというのはすごい。こんなに生徒さんのことを思っていて尽力されているけど、全部抱えるのは難しいと思うので、少しでも先生たちの力にもなれたらいいなと思います」 ここではNPOのノウハウが生かされています。スタッフの1人は「飲み物があると長めにくつろいでもらえます」と言います。訪れた生徒のために飲み物を用意して、心が落ち着いた状態で過ごせるように配慮していました。他にも、トロフィーなど学校に関連する物が置いてある棚は、プレッシャーがかからないよう一時的に布で隠します。 教室に入れない女子生徒も「行こうと思える場所が(校内に)あるのがいいかなって。学習ルームにいても交流がないので、息抜きになるような感じの」と言います。NPOによると、安心して話ができる、“先生でも親でもない大人”の存在も大切だといいます。
■女子生徒は「居心地の良い距離感」
彼女は、スタッフが首からぶら下げていた緊急時用の笛に目を向けました。 スタッフ 「あ、これね、何か危ないことがあったら吹く(笛)」 女子生徒 「(私も)持ってます」 スタッフ 「持ってる? 何か危ないことあるの?」 女子生徒 「まだ吹いたことはないです」 スタッフ 「よかった!」 その場は、楽しく和やかな雰囲気に包まれました。女子生徒も、のびのびとした表情で会話ができています。「居心地の良い距離感。教室だと仲が良い子が集まったり、1人1人の距離感が近いというか…」と言います。