「理解できない投資に金を出すな」…“投資の神様”ウォーレン・バフェットの名言を実践するのが簡単ではない〈意外な理由〉
〈大化け株〉には特徴がある
身近な株を買うなら次のような特徴をいくつか併せ持つ株を買うとよい。 (1)他社技術の利用が得意 株式投資で魅力的な企業は、意外にも革新技術の提供側ではなく、利用側に多い。例えばアップルのiPhoneは、数多くの日本企業の技術に支えられている。もちろん、最も儲かっているのは日本企業ではなく、アップルのほうだ。株価は1999年以降100倍以上に上昇し、時価総額は世界一となった。 (2)右肩上がりの棒グラフ 私は企業のホームページを調べる中で、長期にわたって右肩上がりの棒グラフを見ると、つい興奮してしまう。私の大好きな企業は、[図表1]に示した、情報システム構築支援を手掛けるコムチュア(3844)のように創業以来10年以上着々と成長を続け、上場後もかなりの長期間、その傾向を維持しているタイプだ。このようなグラフを見つけたら、ピンとくるようにしよう。 (3)まるで話題に上らない 株価は、長期的には、企業の成長と割安な株価の是正という2つの要因で上昇する(➡31)。同じ成長株を買うなら、株価は割安なほうがいい。今市場で人気がない割安な株が、今後もずっと人気がないわけではない。あなたの独自の視点からは有望なのに、市場で話題に上っていない株が見つかれば、じっと持ち続けよう。将来、市場がその成長性に気付いた頃には、株価は数倍に上昇しているはずだ。 (4)行列、売り切れ、予約待ち これまで鳴かず飛ばずだった企業が、ある日、とても上手に市場のニーズをつかむことがある。株価は急上昇し、一躍スター株に変身するが、そんな夢のような出来事の兆しは身近なところから始まる。欲しい商品がすぐ手に入らず、予約待ちや行列に並ばないと買えない。そんな光景を目にしたら、その商品を提供している会社のことを調査するとよい。 (5)常習性や中毒性のある商品 食品や外食の銘柄を狙うなら、おいしさよりも、つい口に入れてしまう常習性や中毒性に着目しよう。コーヒー、たばこ、ポテトチップス、トンカツ、激辛、健康食品……。常習性の高い食料品は必ずしもおいしさで買っているわけではないが、提供企業の株価は長期的に堅調なことが多い。同じ理由で、ゲームやSNS、アニメなどのついハマりがちな分野から、思わぬ大化け株が出る可能性も忘れてはいけない。 (6)有望株の周辺に次の候補がある 21世紀に入ってから、小売り・外食セクターから、テンバガー(10倍株)が次々と登場した。背景には、複数の技術変化や構造変化がある。高速道路やバイパスの整備に伴う人の移動の変化、安価で工期の短い乾式工法の普及によるスピーディーな多店舗展開、規模が大きいほど販売データが蓄積できるPOS(販売時点情報管理)システムの普及などだ。これらが、新興の郊外型チェーン店に有利に働いた。こうした変化は、同時に複数の関連企業にも大きな変化をもたらす。 たまたま有望株を1つ見つけたら、成長構造を吟味し、よく似た構造の関連企業を探すと、次の大化け株を見つけられる可能性がある。今なら、AI(人工知能)や、地球環境問題に取り組む企業などに十分に注意を払うべきだろう。