中国、米国産大豆の購入継続-貿易戦争警戒下で想定外の動き
(ブルームバーグ): 中国が米国産大豆の購入を継続している。両国間の貿易戦争リスクが意識される中で減速を見込んでいた一部のトレーダーにとっては予想が裏切られた形だ。
取引に詳しいトレーダーによると、中国の国営業者は先週、国家備蓄のため少なくとも8カーゴ引き取った。米農務省は27日、今週も約2カーゴ分の販売が成立したと発表している。
中国の最近の購入分は、来年1月のトランプ氏大統領就任後に米国との貿易を巡る紛争が起きた場合でも、なお中国に輸送されるリスクをはらんでいる。
トランプ氏は25日、中国からの輸入品に10%の追加関税、カナダとメキシコからの全ての輸入品に25%の関税を課す意向を示した。こうした動きは同様の報復措置を招き得る。
ただ中国は最近ブラジルでの大豆購入を増やしている一方で、備蓄用として米国産の供給も受けている。米国産の大豆は含水率が低く、通常は長期にわたる貯蔵が可能だ。
農産物関連の上場投資信託(ETF)を手掛けるトゥークリウムのシニアポートフォリオストラテジスト、ジェイク・ハンリー氏は「中国は大豆を100%ブラジルから調達するつもりはないだろう」と指摘。「中国は複数の地域に足場を確保したい。米国は大豆の輸出で世界第2位に位置し、中国が離れていくとはみられない」と話した。
原題:China Keeps Buying US Soy in Surprise Move After Trump’s Win(抜粋)
--取材協力:Hallie Gu.
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Tarso Veloso, Isis Almeida, Michael Hirtzer