運賃箱を廃止する高速バスも…東海エリアの新紙幣への対応状況は?
20年ぶりの「新紙幣」発行。各社で対応が進むなか、この機に運賃箱を廃止した高速バスも。東海エリアの新紙幣への対応状況を取材しました。
発行初日に銀行で両替を求める理由とは?
名古屋市中区の『三菱UFJ銀行名古屋営業部』では、午後1時から枚数を制限して新紙幣への両替がスタート。訪れた人々のなかには、世界中の紙幣を集めているという“紙幣コレクター”の姿も。
新紙幣を手にした紙幣コレクターの男性は、「これをインスタグラムにあげて、世界中の友達とメッセージを送り合いたい」と話します。また、紙幣コレクターの女性からは、「いいですね。渋くてデザインがすごい。技術がすごいですね、日本のお金」と新紙幣に施された技術に関心する声も。
20年ぶりとなる「新紙幣」。1万円札には実業家の渋沢栄一、5千円札には教育家の津田梅子、そして千円札には細菌学者の北里柴三郎が新たにデザインされます。
肖像には紙幣の偽造を防止するため、さまざまな工夫が施されている新紙幣。世界で初めての起用される技術として、肖像には見る方向によって肖像が回転する「3Dホログラム」が使用されています。
そして、お札と言えば「すかし」。新紙幣には人物だけではなく、背景にもとても細かい模様が入っています。「すかし」は“印刷の工程”ではなく、紙を作る時点で厚みを変化させることで表現。つまり、なにも印刷されていない紙の状態で、すでに「すかし」が入っているのです。そのため、カラーコピーなどを使用した複製もできないようになっています。 本日、日銀名古屋支店から、東海三県の金融機関へ引き渡された新紙幣は1381億円。本格的な流通が始まるのは、4日以降になる予定だそうです。
電車やスーパーは新紙幣に8~9割が対応
新紙幣は東海エリアで、どのくらい対応しているのでしょうか。日本自動販売システム機会工業会によると、電車の切符の券売機やコンビニ・スーパーのレジは8~9割対応。 東海エリアの鉄道会社に新紙幣の対応率について聞いたところ、JR東海は100%で新幹線・在来線すべての券売機で対応済み。名鉄は全体71%で今年度中に更新もしくは撤去することで対応。近鉄は全体の85%で、各駅にひとつは対応した券売機を設置し、9月末までにすべて完了予定。名古屋市営地下鉄は93%で、9月までに対応が完了する予定だそう。 一方、5割程度の対応にとどまっているのが、飲食店の券売機や、コインパーキングの精算機など。コインパーキングなどを運営する『名鉄協商』では、約6割の精算機が対応済みで、残りも8月末までには完了予定とのことでした。