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恋愛は、親密な関係と絆を通じた独特の方法で人生を豊かにしてくれる。パートナーを求める思いの根底には、多くの場合、人生の旅路を誰かとともに歩みたい、喜びも苦しみも、穏やかなひと時もひっくるめて苦楽をともに過ごしたい、という願いがある。 2023年に学術誌Evolutionary Psychologyに掲載された研究論文では、恋人を求めるいちばんの理由と、恋愛関係で得られる最大のメリットについて考察。長く続く恋愛関係には、年齢やジェンダーを問わない傾向として、2人に充足感をもたらす具体的な特質があることを発見した。 では、人はパートナーとの関係性で何を最も重視するのかについて、この研究で明らかになったポイントを見ていこう。 ■1. 「愛されている」感覚を味わえる パートナーとの長く続く関係が持つ最大の強みの一つは、深く愛され、大切にされているという感覚を味わえることだ。健全な愛情は、相手への執着心ではなく、安定と信頼、精神の高揚をもたらしてくれるものだ。多くの人は、愛情から生じるそうしたエネルギーを切望している。また、言葉や行動にせよ、充実したひと時にせよ、自分が求める方法で愛されていることを感じたいと思っている。 この研究の参加者たちは、真剣な交際相手がいると、愛や情熱といった肯定的な感情を味わえると同時に、孤独感が低減すると述べていた。そして、何かに一緒に取り組む喜びや、温かな愛情、常に隣にパートナーがいるという安心感を強調した。 実際、2019年に学術誌Evolutionary Psychological Science掲載された研究結果では、パートナーがいる人は、不本意ながらシングルでいる人よりも、人生への満足度が高く、否定的な感情を抱くことが少ないことが判明している。 こうした関係から生まれる重要なポイントの一つは、同伴者がいるという感覚だ。いまや現代の流行り病と言える孤独は、心身の健康にダメージを与える場合もある。人間は生来、社会的な生き物だ。思いや考えを明かし合い、悩みや困難を話し合い、何をするでもなくただ一緒に過ごす相手がいることで、「共に生きたい」という基本的な欲求が満たされる。 さらに2023年の研究では、長く続く関係を求めるいちばんの理由ではないものの、安定したパートナー関係を持つ重要なメリットとして、定期的に安全で満たされる性生活を送れる点も挙げられた。こうした意味での親密さは、単に快楽を得られるだけでなく、心の距離が近くなり、信頼感が強まるので、関係への満足度がいっそう増すことになる。