2軍落ちで覚醒!? 阪神・サトテル(佐藤輝明)を信じてええんか?
■2軍落ちで明らかな変化が かくして、2軍落ちした佐藤。鳴尾浜球場(阪神の2軍球場)では女性ファンから「こんなとこ(2軍)で練習してても意味ないやろ! うまくならへんで!」ときついヤジまで飛ぶ始末。 ただ、2軍でもがいている6月5日に、大山が自ら申し出る形で2軍降格というニュースが飛び込んできた。そこで、7日に突然、佐藤の1軍昇格が決まったのだ。前出の記者が語る。 「監督はもちろんあのタイミングで上げる気はなかったはずです。大山があんな形で2軍に行ってしまったので、背に腹は代えられないということで、やむをえず佐藤を上げたというのが実情でしょう。大山が本来の姿なら今も2軍にいたと思います」 ところが、2軍落ち効果なのか、ここから少しずつ変わってきたという。 「1軍に上がった日の取材で、監督から『起爆剤になってくれ』と言われたことについて質問すると、本人から『やる気満々です』と返ってきました。 2軍に落ちる前は自分からそんなことを言う選手じゃなかった。『チームの悪いムードを俺が変えてやる』という気持ちが強かったんだと思います。それを記者の前で堂々と口にしたのは佐藤としては珍しかったです」 さらに、守備や姿勢に関しても変化が見られた。 「フットワークは2軍に落ちる前よりうんと良くなっています。それにヘッドスライディングで本塁に突入する姿勢。泥くさいことをやろうとしない佐藤がユニフォームを泥まみれにして突っ込んだ。これまでの佐藤では考えられないプレーでした。 こういう闘志あふれるプレーは監督や首脳陣にしっかり伝わったと思います。そもそも岡田監督はそういう気持ちの入ったプレーをする選手をすごく評価します」 打撃もまだはっきりとした数字には表れていないが、上向きだという。 「6月16日のソフトバンク戦の第1打席は、課題である速球を見事に打ち返したヒットでした。追い込まれた後、粘って粘って速球をライト前に打ち返した。あんな速球を引っ張ってヒットにすることなんてあまりなかったんです。 それまでは、スピードの落ちた変化球を拾ったヒットばかりで、あまり見たことのないバッティングでした。何か復活のきっかけでもつかんだのかもしれません」 記者が今後の期待を込めてまとめてくれた。 「岡田監督が2軍落ちさせた真意を受け入れ、肝に銘じることができるかが、今後の野球人生を変えていくことになると思います。今のところ、岡田監督をはじめ、周りの意見を聞き入れる雰囲気が見られますし、自分を変えていこうと試行錯誤している感じがします。 また、大山の不調など、チームの状態が悪いですから、自らが変わることで引っ張っていく姿勢を見せることができたら、本人も自信につながるでしょうし、周りの佐藤を見る目も違ってくるはずです。実際、先頭に立ってアップの声出しをするなど少しずつ変わってきてるようです。 問題はこれが今後ずっと続くかどうか。ファンもそうでしょうけど、首脳陣やチームメイトもみんな佐藤の変化が本物かどうか、注目しているところです。それが後半戦の阪神の成績の鍵になるでしょうね」 取材/ボールルーム 写真/時事通信社 共同通信社