豊田自動織機のサプライチェーン企業は5,319社 派生する売上高1兆2,621億円、うち7割が「愛知県」に
豊田自動織機のサプライチェーン分析
1月29日、繊維機械や産業車両、自動車・自動車部品メーカー大手の(株)豊田自動織機(東証プライム)は、製造している現行及び旧型の産業用車両エンジンや自動車用エンジンの一部で、性能試験での法規違反があったことを公表。これを受けて、エンジンの供給先でありグループトップでもあるトヨタ自動車(株)は、確認作業のため国内4工場6ラインの稼働を2月1日まで停止するとし、30日には豊田章男会長が会見で謝罪した。トヨタグループとしては、昨年12月のダイハツ工業に続く問題発覚となり、改めてサプライチェーン企業への影響が懸念される。 帝国データバンクでは、保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」をもとに、(株)豊田自動織機に対し、部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を、2023年時点のデータを基準に推計した。
調査結果要旨
1.豊田自動織機を頂点とするサプライチェーン企業(売上高の1%以上を依存している企業)は、国内に推計5,319社あることが判明した。同社と直接取引のあるTier1は959社、二次下請けであるTier2が3,387社、Tier3が898社と続く 2.これらの企業に派生する売上高合計は推計1兆2,621億円。特に直接Tier1企業にもたらされる売上高が1兆552億円と大きい 3.特にトヨタグループのお膝元である「愛知県」に、サプライチェーン企業の50.1%、派生する売上高の70.3%が集中している
都道府県別の分析 ―トヨタグループのお膝元「愛知県」が社数、派生する売上高ともに最多
豊田自動織機のサプライチェーン企業を都道府県別に見ると、トヨタグループのお膝元である「愛知県」が2,666社で最も多く、全体(5,319社)の50.1%を占めた。さらに愛知県の企業に派生する売上高合計は推計8,878億円となり、豊田自動織機がサプライチェーン企業全体にもたらす売上高の70.3%が同県に集中していることが分かった。 以下、大都市圏の「東京都」(321社、1,218億円)、「大阪府」(298社、279億円)と続くが、愛知県に近接する「静岡県」(221社、370億円)、「長野県」(178社、225億円)、「岐阜県」(177社、165億円)が社数上位となっており、中部経済圏にサプライチェーン企業が集中している。