【バレー】石川祐希主将「コンビやレセプションの連係、スパイクの打ち方など課題が多く出たが、やるべきことが明確になったのは収穫」 VNLスロベニア戦会見
6月8日に西日本総合展示場 新館(福岡県北九州市)で行われたバレーボールネーションズリーグ(VNL)2024男子大会日本対スロベニア戦、試合後の石川祐希主将の記者会見コメントをお届けする。今大会は選手の会見が最終日の石川主将のみであったため、スロベニア戦を含めた福岡大会全体を通しての内容となった。 ――福岡大会で戦ってみて、日本チームと個人としての総括は? 石川:まず、この4試合含めて 3勝1敗で終われたことはひとつ大きい。大きいというか、やるべきことはやったと思います。ポーランド戦はメンバーを変えて負けてしまいましたけど、そこでも 勝ちたかったですし、メンバー変わっても強い日本チームを見せたかったですけど…。0-3で第3セット以外は20点取れなかったので、そこは反省点もありますし、今日に関してもまだまだうまくいかないところだったり、課題点は多く見られたので、改善点はまだたくさんあるチームだなと思います。それでもしっかり結果として1敗しかしなかったというところは評価できるかなと思うので、この後フィリピンラウンド、 そしてファイナル、その後パリオリンピックと時間があるようでないので、どれだけ完成度を高められるか。そして、ピークは絶対オリンピックなので、そこにどう持っていくかも調整していければいいなと思います。 個人的には 3試合出場してなかなかいいプレーを見せることはできなかったですけど、合流して間もないので 試合するのも久しぶりですし、そこに関しては少しずつ上げていければいいかなと個人的に思っています。もう本当に調整というか、強化できるところは限られていますし、時間も短いので、とにかくいい状態で パリに向けて臨めるように準備していきたいと思います。 ――ファイナル、オリンピックで最終的にはオリンピックでのメダルが目標だと思いますが、そこで改めて世界の強豪のチームに勝ち切るためにチームとして必要なこと、今「完成度」という言葉がありましたが、具体的には? 石川:この4ラウンド含めて、まだトスと合っていない部分もありますし、チャンスボールが返ってきたら1点取りきれてないところもあるので、そういったチャンスボールだったり、 1点取るべきところでは当たり前にしっかり取れないといけないなと思います。 あとはコンビを合わせることと、サーブはいいんですけど、レセプションとの関係性もまだ改善点がたくさんあると思います。 今日は自分たちのサーブはよかったので、サーブがいいチームに対してどれだけサーブレシーブをキープできるのか、耐えられるのかっていうところが、パリオリンピックで勝つためには必要になってくると思います。ドイツ戦のようにサービスエースをたくさん取られていたら、たとえ勝ちはしてもフルセットまで行ったりとか危ない試合になるので。僕たちの強みはディフェンスだったりレセプションというところもあるので、そこをもう一度修正する必要があるかなと思います。 攻撃面に関しては、被ブロックが多いと相手のムードになっていったり、相手のペースになっていってしまうので、そこのコントロールももっと必要かなと思います。 ――メンバーは違いますが、昨日の負けた試合の後で、今日の試合に向けてどういうふうに入ったのかと、改めてこの4試合の中でのチームとしての一番の収穫を挙げるとしたらどんなところだったかを教えてください。 石川:まず今日のスロベニア戦に関しては、スロベニアは全勝しているチームですし、 力を持っている、今非常に調子のいいチームなので、そこに対してどう気持ちの面で作っていくかということは大事だったと思います。オリンピックでも戦う可能性もあり、フランスやボーランドに勝っている強豪チームなので、苦しい試合になることは僕たちも予想してましたし、その中で勝ち切っていこうという話をして臨みました。 あとは4試合やってみて、まだサーブレシーブなどの連係がうまくいっていなかったりとか、完成度の部分ではまだまだ足りないところが見られたので、 逆にここでそういう課題がいろいろ発見できたことは大きな収穫だと思います。こういう収穫があるからこそ、もっと強くなれると改めて感じました。 サーブレシーブの連係だったり、スパイクの打ち方だったり、トスとのコンビだったり、そういった課題を挙げれば何個も出てくるんですけど、それがたくさんあるということが逆にこの4ラウンドの収穫だったと思います。僕と髙橋藍選手が合流して初めての今季の代表の試合だったので、うまくいかないところや合ってないところもありましたけど、その中で1敗してしまいましたけど、負けずにその課題を発見できたことは、そこが収穫だったと。課題がたくさんある中でも勝てたということは、もっともっと課題を詰めていけば、もっと楽に勝てる試合が増えたりだとか、 強豪チームにも安定して勝てるようになってくるイメージができたので、それがひとつの収穫かなと思います。 ――先ほどから課題をたくさん挙げられていますが、時間がない中でパリ五輪にピークを持っていくために、VNL後半や、五輪までの残り50日弱で特に何を大事にして作り上げていきたいか、まとめていきたいかを教えてください。 石川:まず個人的なことだと、サーブは個人のスキルなので、このラウンドに関しても、それぞれがいいサーブを打てていたと思いますし、そこは継続していけばいいだけだと思います。レセプションだったり、ブロックフォローだったり、トスとのコンビに関しては、 コミュニケーションと時間と、あとは対戦相手によってもフォーメーションが変わってきたりするので、そこの試合の中で詰めていくしかないのかなと。今後の試合数も親善試合も含めて多分10試合程度しかないので、その中でそういった課題を潰していくしかない。 時間はないですけど、課題が明確にあり、やるべきことはみんなわかっているので、それを潰していくだけかなと思っています。 ――4セット目に入るときに3セット目も踏まえてだと思うんですけど、西田(有志)選手や山本(智大)選手がコートの中で石川選手に声を掛けていたように見えました。どのような声掛けで、それに対して石川選手がどういう思いで、どういう影響を受けたかを教えてください。 石川:4セット目に関しては、僕自身、イライラしてしまったところがありました。特別何か言われたということではなくて、「 行くぞ!」みたいな感じの声で、僕があんな状態だったので、気を遣ってくれてるなと感じました。本当に「僕がこんなんじゃダメだな、チームに迷惑かけているな」と思っていたので、4セット目は少し切り替えをして入りました。 西田選手、山本選手、山内(晶大)選手が中心となってチームをまとめてくれていましたし、僕自身も今日に関しては仲間に助けられた試合だったので、本当にブラジルラウンドで戦っていた仲間たちが改めて頼もしいな、僕がもっとしっかりしないといけないなと感じました。今日はこういう試合でしたけど、またフィリピンラウンド、ファイナルと気持ちを切り替えてやっていくしかないと思います。 このラウンドを通じていい経験ができたというか、 代表に帰ってきて試合をするっていうのはこのような感じなんだっていうのも改めて感じられたので、いい福岡大会になったと思います。
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