巨人、1－0完封リレー！負けたら終わりの崖っぷち…DeNA打線相手に4投手仁王立ち
「2024 JERA クライマックスシリーズ（CS） セ」はファイナルステージ（6試合制）の第5戦が行われ、巨人がDeNAに1―0で競り勝ち、1勝のアドバンテージを含めて対戦成績3勝3敗とした。CS初先発の山崎伊織投手（26）が6回⅓を6安打無失点と好投して白星を挙げ、4投手による完封リレーで勢いを加速させた。 つないでもらったバトンは自分で終わらせない。負ければ終わりの一戦で山崎伊が七回途中無失点の投球。ポストシーズン独特の雰囲気を味方に投げ抜いた。 「緊張はしたんですけど、シーズン中とはちょっと違う雰囲気だった。負けられない試合なんですけど、いい意味で楽に投げられた。自分も明日の試合につなげるんだという気持ちで投げました」 DeNA戦は今季負けなしの3勝、通算で10勝3敗の好相性を短期決戦でも発揮。序盤のピンチで強打者を抑えた。一回2死一、二塁では宮崎を投ゴロ。三回無死一、二塁では変化球が切れて牧を中飛、佐野を遊ゴロ併殺打に仕留めた。六回に最近3戦2発のオースティンをスライダーで空振り三振に斬るとガッツポーズ。回を追うごとにスライダーなどの制球力が増したことに手応えを覚え「すごく角度よく投げられていた」と満足げだった。 七回1死から左翼手のオコエの後逸（記録は三塁打）によるピンチを迎えると、マウンドを救援陣に託した。2番手・高梨が後続をゴロに仕留めて踏ん張ると、八回はバルドナード、九回は抑えの大勢がゼロに抑えて完封リレー。3連敗の崖っぷちから、前夜は23歳左腕の井上が6回1失点と力投した。若い力が起こした追い風を、さらに加速させた。 レギュラーシーズン前半戦は白星を積み重ねた山崎伊だが、後半戦で失速。思うようなボールが投げられず「カウントを取りに行くのが怖くなる時もある」と話すこともあった。9月中旬に2軍で投球フォームなどを見直して約2週間後に再昇格すると、10月2日のDeNAとの最終戦で2年連続2桁勝利を達成。「投げさせてくれた監督、コーチに感謝したい」と頭を下げた。 初のCSの舞台を控えた前日には「気持ちが入っているので」と気合十分の様子だった右腕。あの頃の弱気な姿はなかった。「最後の試合から状態がよくて、そのままそれが試合に出せた」とうなずけば、阿部監督も「ナイスピッチングだった」とたたえた。
「明日（第6戦）も絶対勝ってくれると信じて、またいい調整をしていきたい」と山崎伊。敗れると日本シリーズ進出がなくなる大一番で重圧に耐え、あとをエースの戸郷に託した。（原田優介）
