家庭用水栓に革新 蛇口からミネラル入りの浄水が出る新サービス LIXILとサントリー共同開発 その仕組みは?
LIXILは、蛇口からミネラル入りの浄水「ミネラルinウォーター」を出せる家庭用水栓の新サービス「Greentap(グリーンタップ)」をサントリー食品インターナショナルと共同開発した。 LIXILとしてはこれまでの浄水サービスに“おいしさ”という新たな価値を付与することが目的の1つ。 一方、サントリーとしてはペットボトル(PET)以外の水の新たな選択肢の探索の一環と位置づけている。 3月28日、発表会に登壇したLIXILの瀬戸欣哉取締役代表執行役社長兼CEOは「我々の浄水への取り組みでは、おいしさという点が足りなかった。おいしさに実力と知見を多く持つサントリーさんと組むことで大きく変わった」と胸を張る。 サントリーの知名度にも期待を寄せる。
「ミネラルinウォーター」は、水道水がミネラル浄水ユニットを通ることでつくられ、ミネラル浄水ユニットにサントリーの知見が活かされている。 ミネラル浄水ユニットは、浄水カートリッジ・ミネラルボトル・クリーンフィルターの3つの消耗品で構成される。 その中のミネラルボトルに充填される植物ミネラルエキスをサントリーが開発。ココヤシのヤシ殻活性炭から抽出されたミネラルエキスを分離・ろ過・濃縮といった工程を繰り返すことでミネラルバランスを調整している。 この植物ミネラルエキスはサントリーが既にテスト展開している「minel(ミネル)」でも採用している。 「ミネル」は専用ボトルに水道水などの家庭の水を約1.5L入れて専用キャップを装着してひねると、その水が一瞬でまろやかな味わいの新たなおいしさの水に変わるもの。 専用キャップには植物ミネラルエキスが入り、キャップをひねると気泡が噴射され植物ミネラルエキスが水全体に広がるようになっている。 サントリーは今回、BtoBビジネスとして植物ミネラルエキスをLIXILに販売。ミネラルボトルにはサントリーのロゴも入っているため、コーポレートブランドの更なる浸透も見込めそうだ。 サントリー食品インターナショナルの柳井慎一郎常務執行役員は「エキスをLIXIL様に提供するという、今までやったことのない形のビジネスモデルになる。『サントリー天然水』を引き続き中心にしながら、水というものを広く考えて提供するという取り組みの一つ」と語る。