「大阪・関西万博」はどうなる!?落合陽一が言及「中身にかける予算がほとんどなくて困っています」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、脳科学者の茂木健一郎さんと常連客の落合陽一さん。ここでは茂木さんが、2025年開催の「EXPO 2025 大阪・関西万博」について、大阪・関西万博プロデューサーでもある落合さんに質問していきました。
◆2025年開催の大阪・関西万博はどうなる?
茂木:大阪・関西万博ってどうですか? 落合:大変なのは……ラスベガスの「Sphere(スフィア)」(球体型アリーナ)ってあるじゃないですか、LEDのカッコいいやつ。あれを1個作るのに3,500億円(総工費23億ドル)ぐらいかかっているんですよ。 茂木:あれ3,500億円もかかっているの!? 落合:そうなんですよ。それで、万博は総工費2,350億円なんです。つまり、あの玉1個よりお金がかかっていないんです(笑)。 茂木:落合さんのパビリオンはいくらぐらい? 落合:建築の入札とか出ているやつは公開されているんですけど、たぶん外見で10数億ぐらい。だけど、中身にかける予算がほとんどなくて困っています。 茂木:先日「エンジン01文化戦略会議」という林真理子さんたちがやっている会でデザインを見せてもらいましたけど、めっちゃカッコいいですよね。 落合:ありがとうございます。「null²(ヌルヌル)」(大阪・関西万博シグネチャーパビリオン)は“動くパビリオン”で、外装は鏡でできていて、曲がる変形構造になっていたり、外装膜が新開発の金属膜でまとっています。 また、立方体のキューブがいっぱい組み合わさったところが全部鏡になっていて、鏡の6辺が伸びたり縮んだり丸まったりします。 茂木:この前、伊東豊雄(いとう・とよお/建築家)さんと話をしたときに「そもそも万博って、“お金”っていうよりも(人々を)ビックリさせるためにあるよね」っていう話をしていたんだけど。今回の万博はどうなんだろうね? 落合:いやぁ……ビックリさせるようなものを作るには、広告代理店ではなかなか(お金を引っ張ってくるのは)難しいだろうなと私は思います。 茂木:(笑)。あと、伊東豊雄さんが言っていたことですごく面白い話があって。前回の(大阪)万博のときに、丹下健三(たんげ・けんぞう)さんとか、いろいろな建築家が(パビリオンを)作っていたんだけど、来た人はみんな岡本太郎の「太陽の塔」に行っていたらしいの。 落合:はいはい。 茂木:それを見て、伊東さんのなかで“こんなことじゃダメだなんだ”と建築感が崩れたらしいのね。理性とかじゃなくて、もっと……それこそ、落合的に言うとデジタルネイチャーなのかもしれない。 落合:野生のほうが、理性より重要ですからね。 茂木:そこから伊東さんは、自分の建築にパッションを出すようになったらしいです。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)