【投資初心者向け基礎講座】「株を買うなら、反対の値動きをする銘柄も買う」「住宅購入資金はREITで作る」〈経済評論家が解説〉
住宅購入資金を「REITで作る」賢い方法
輸出企業に勤めている人は、ドル高になると勤務先の業績が改善してボーナスが増えるでしょうが、ドル安になるとボーナスが減りかねません。そのリスクに備えるには、輸入企業の株を持っておけばいいのです。ドル安になると輸入企業の株価が上がり、ボーナスの減少を補ってくれるでしょうし、ドル高になればボーナスが増えるので、持ち株の値下がりは気にならないでしょう。 輸出企業に勤めている人は、自社の様子やライバル輸出企業の様子がよくわかるので、知らない輸入企業の株よりも自社株やライバルの株を買いたくなるかもしれませんが、リスクを減らすという意味では、輸入企業の株を買うほうがはるかにいいですね。 住宅の購入を考えて資金を貯めている人には「貯めている間に住宅価格が高騰してしまい、いつまでも買えない」というリスクがあります。 可能なら、資金が貯まるたびに住宅を100分の1ずつ購入していきたいのですが、それは無理ですね。それなら、次善の策として「不動産会社の株を買う」という選択肢があります。不動産が値上がりするときには不動産会社の株価も上がるでしょうから、頭金の用意が難しくなるというリスクが減りますから。実際には、不動産会社の株よりもREITという金融商品のほうが住宅価格に近い値動きをするので、そっちがさらにいいかもしれませんね。
学者の定義では「リスク=不確実性」。一般の理解とは違うが…
以下は、余談です。一般人にとってリスクというのは「損をする可能性」のことですが、学者の定義するリスクというのは、「儲かるか損するかわからない状態」のことです。つまり、詐欺商品を買うのはリスクではないのですね(笑)。 あとは、リスクは嫌なものなので、リスクのある商品を買うときには期待値がそれなりにプラスでなければならない、と教科書は教えています。これを学んだ投資家たちも、同じように考えているわけです。 カジノで遊んでいる客は期待値がマイナスの賭けをしているので、勉強不足ということかもしれませんが、まあ楽しければよし、ということにしておきましょう(笑)。 本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義