ルヴァン杯 J3富山の快進撃はついにストップ…J1札幌に敗れてプレーオフラウンド敗退
◆YBCルヴァン杯 ▽プレーオフラウンド第2戦 札幌2-1富山(9日・富山県総合運動公園陸上競技場) J3カターレ富山は、1-2でJ1北海道コンサドーレ札幌に敗れ、プレーオフラウンド敗退を喫した。初戦からJ2山形、J2清水、J1神戸と上位カテゴリーのチームを破ってきたが、ついに快進撃はストップ。ホーム会場には7701人の観客が訪れ、大声援で後押ししたが、2点のビハインドから追いつくことは出来なかった。試合後、ゴール裏のサポーターに挨拶すると、温かな拍手や声援が送られた。控え室の選手たちに、小田切道治監督は「1人1人、何が収穫で、何が課題なのかを見つめ直して欲しい。明日、明後日の練習から、各選手がどう取り組むか、それが今大会で勝ち進んできた意義だと思う」と語りかけた。 痛恨のミスが最後まで響いた。前半40分にペナルティーエリア内で相手選手を後ろから倒してPKを献上し、先制点を許した。キャプテンのMF吉平翼(26)は「あの場面で後ろから滑り込む必要はなかった。カバーする選手もいたし、(ゴール前に)相手もいなかった」と厳しい表情を浮かべた。後半6分にはセットプレーで追加点を許し、その後も苦戦が続いたが、後半終了間際に相手DFのパスをカットし、FW碓井聖生(22)がゴール。ロスタイムにはGK田川知樹(21)も攻撃参加したが、同点に追いつくことは出来なかった。 敗れはしたが、初めて参加したルヴァンカップで、J1、J2チームを相手に大健闘した。清水、岡山でプレーしてきたベテランMF河井陽介(34)は「戦い方を変えずに、自分たちの力が通用したし、どんな相手にも臆せず、たくましく戦えるようになった。自信を持ちながらも、クオリティーの差は感じ取って、今後に生かしていきたい」と前を向いた。そして、試合を重ねるごとに、ホーム戦での観客数も着実に増加。3月のJ2山形戦では1827人、4月のJ2清水戦では3257人、5月のJ1神戸戦では8223人と倍増し、勝利で大きな感動を与えた。小田切監督は「自分たちが果敢にゴールを目指してボールを奪ったり、相手のプレーに沸くシーンもあった。自分たちに出来ることを精一杯しながら、応援してもらえるようなチームにしていきたい」と振り返った。 12日には天皇杯2回戦でJ1神戸と再び対戦し、16日からはリーグ戦が続く。小田切監督は「今大会で多くの選手が出場できたことは、チームにとってすごくプラスになる」と話せば、ルヴァンカップ全5試合で3得点を挙げたFW碓井聖生(22)は「相手は個々の能力が高く、競り合いでも大きな差を感じた。次の神戸戦は、もっと意識を高めていきたい」と決意。喜びも悔しさも糧にして、クラブとしてさらなる成長を目指す。(中田 康博)
報知新聞社