岸田派が解散で「岸田政権の支持率」が上がる可能性も
地政学・戦略学者の奥山真司が1月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田派(宏池会)の解散について解説した。 【写真】岸田派の解散について「検討している」と話す岸田首相
岸田派が解散へ ~安倍派でも解散を検討
自民党・岸田派(宏池会)は1月18日、政治団体としての派閥を解散する方針を固めた。岸田総理は官邸で記者団に対し、「政治の信頼回復に資するものであれば、そうしたことも考えなければならない」と述べた。また、最大派閥である安倍派(清和政策研究会)も解散の検討に入った。 飯田)政治団体の届け出を取り下げ、派閥事務所も閉鎖する方針だそうです。
物事を大胆に行う策士の一面もある岸田総理
奥山)あえて身を切るというか。私のなかで岸田さんは、「物事を大胆に行う」という印象があります。以前、バイデン大統領が原爆資料館を訪れましたが……。 飯田)広島で開催されたG7サミットの際。 奥山)原爆資料館は東館と本館に分かれており、被爆の実相を詳しく伝えているのは本館の方なのです。しかし、バイデン大統領側は東館にしか行かず、本館には行きたくないという方針でした。滞在時間も、皆さん1時間ぐらい入っていたけれど、30分ぐらいで早めに切り上げたのです。 飯田)短かったですね。 奥山)その際、東館にしか入らないので、本館にある資料を東館に付け替えたのです。工作的なことをしてでも「絶対に見せるのだ」という強い意志があったのですね。
自民党は危機状態になるが、岸田政権の支持率が上がる可能性も
奥山)岸田総理はそういうことをする方なので、もしかしたら今回、自ら身を切ることによって、むしろ支持率が上がるのではないかと思っています。 飯田)派閥を解散することによって。 奥山)岸田さん自身が岸田派を解散させることで、自民党は危機状態に陥るかも知れませんが、逆に支持率は上がる可能性がある。岸田さんは、かなり策士的な部分がある印象です。
世界の安定の1つの柱であった日本だが
奥山)他の地域を見ると、ヨーロッパはウクライナ情勢で揺れている。中東はイスラエル、ハマスに関連していろいろな動きがあり、かなり不安定化しています。東アジアも台湾有事の心配など、いろいろありますが、そのなかで民主主義のトップの国として、日本は政治的に安定している。ここ1年くらいは、意外と日本が「世界の安定の1つの柱」のようになっている部分があったのです。 飯田)ここ1年くらいは。 奥山)そのなかで今回、岸田政権に裏金問題が出てきたことで、不安要素の1つになったかも知れない。やはり世界が流動的になっていると思います。