「自分向け高級チョコ」買い求める傾向 バレンタインデーを前に専門店に客続々
2月14日は、親しい人に愛情や日ごろの感謝の気持ちを伝えるためにチョコレートを贈る毎年恒例のバレンタインデーです。「この日」を前に東京都心のショコラ専門店には購入客がひっきりなしに訪れていました。店員や大手百貨店によると、今年は「自分向けチョコ」を買い求める客が多い傾向にあるそうです。
「自分も楽しむチョコを」
バレンタイン前日の13日昼、東京都千代田区にあるショコラ専門店「ベルアメール紀尾井町店」を訪ねてみると、次から次に客が訪れてはショーケース内に並ぶチョコレートを眺めていました。 仕事で近くを訪れ、来店した40代の女性会社員は、結婚して12年目の夫と4歳の息子に1箱ずつ購入。「夫には毎年贈っています。実は私も食べるので、私が欲しい製品を選びました」とニッコリしていました。
「義理チョコ」需要が減少
同店舗のセールスマネージャーの鬼頭梨沙さんは、「お客様のピーク時間帯は、ランチ後の午後12時30分から午後2時ごろまでと、退社時間後の午後6時以降です」と話します。鬼頭さんによると、客1人あたりの平均購入数は、2~3箱だそうです。
ここ数年は、以前のように義理チョコ用に多数購入する人はすっかり減ったそうです。今年の特徴としては、「以前に比べて友人などに贈る『友チョコ』を求めて来店する男性の姿が多く見られる」とのことでした。バレンタイン商戦の売り上げは、12日までの時点でほぼ例年並みだと言います。
大手デパートは?
大手百貨店はどうでしょう。大丸と松坂屋ホールディングスの持ち株会社であるJ・フロントリテイリングの広報担当は「チョコレートは、12日までの段階で前年とほぼ同じ売り上げをあげています」と回答。今年の販売傾向については、「(来店者が)自分が楽しむために高級な製品を購入する傾向が(以前)より顕著に現れています」と話しました。 高級チョコレートの小売店を展開するゴディバジャパンは、「バレンタインのチョコレートは15日まで販売するので、現時点ではまだ結果が確定していません」としつつも、「ここまでの売り上げは昨年とおおむね同程度」だと説明しています。 (取材・文:具志堅浩二)