大和証券G本社の荻野明彦社長「賃上げ5%以上」 来年末の日経平均は4万5000円予想
大和証券グループ本社の荻野明彦社長は23日までに、産経新聞のインタビューに応じ、2025年度に5%以上の賃上げを検討していることを明らかにした。労使交渉を経て、25年6月からの適用を目指す。実現すれば4年連続の賃上げとなる。初任給も現行の月29万円から30万円に引き上げる方針。荻野氏は「インフレへの対応と人材獲得戦略上、必要と判断した」と説明した。 日経平均株価は今年7月に4万2224円の史上最高値に到達した。荻野氏は「資本市場を活用して日本経済がさらに成長していくステージに入る転換点となる年だった」と振り返った。25年は1月に3万9000円程度の安値をつけた後、年末にかけて4万5000円の最高値を目指すとの見通しを示した。 強気の見方の背景には、米国経済の底堅さがある。そのカギを握るトランプ次期大統領について、荻野氏は「関税政策がどういう着地をするかは懸念材料の一つだが、現実的な落としどころを探っていくやり方が彼の特徴だ」と指摘した。 個人向けのサービスでは今後、不動産仲介ビジネスを拡大する方針だ。これまで本店と大阪支店、名古屋支店で対応してきたが、昨年10月から東京都内の2営業所に宅地建物取引士の資格を持つ社員を配置。荻野氏は「有価証券だけでなく、総資産のコンサルティングができる体制を強化する」と述べ、対応可能な店舗を増やすことも検討する。