「あれはガッツポーズじゃないです」フィギュア全日本4連覇、坂本花織が明かす“悔しさ”の意味…中野コーチから「もう少しできるでしょう」
中野コーチから「もう少しできるでしょう」
守りに入ったといいながらも、体力がある演技前半の4本は成功。しかし演技後半の1本目、新たな跳び方を習得したばかりの「3回転フリップ+3回転トウループ」は、3回転フリップの着氷がオーバーターンになってしまった。 「オーバーターンしてしまって、一瞬、『3回転をつけるか、2回転をつけるか』と迷いました。練習だったらダメ元でも『3回転+3回転』にしている。でも『3回転つけたことで、残りの3回転ルッツと3回転ループに影響して、転倒したら元も子もないな』と思ってしまいました」 とっさの判断で「3回転+2回転」に抑え体力を温存する。残るジャンプはきっちり決めて、フィニッシュ。ミス1つでまとめたという気持ちではなく、後悔が先にたった。 「得点源の3回転フリップ+3回転トウループができかなったことが悔やまれます。守ってしまいました」 悔しさをこらえるように、小さな拳をにぎりしめた。 得点を待つ間、中野コーチからは「もう少しできるでしょう。日々成長ですよ」と声をかけられ、早くも反省会といったムード。フリー149.76点、総合228.68点での優勝が決まると、ほっとした様子で4連覇を喜びあった。 「やっぱり私は、攻めて行くことで自分らしさが出るんだな、というのを知ることができました。今回ショートはそれができたので、世界選手権に向けては、ショートもフリーも攻めの姿勢で自分らしく滑れたらなと思います」
今年を漢字一文字で表すと…
優勝決定後のインタビューで『今年を漢字一文字で表すと? 』と記者に聞かれると、少し考えてから、こう答えた。 「『積』です。今までの経験に加えて、今季は色々な挑戦をして、色々な経験をさらに積めたシーズンでもある。今年は良いことも悪いことも『次はこうしたらいいんだな』という積み重ねをいっぱいできた。そんな年でした」 GPファイナルも全日本選手権も、すべてが「積」の期間。今季の世界選手権、そして来季の五輪へと、つなげていく。 「まず今季の世界選手権は、枠取りがあるので、自分にとってもすごく重要な大会だなって思っています。最終目標はオリンピックなので、あくまで通過点。でも『絶対に優勝したい』という気持ちを忘れずにやっていきます。世界選手権でオリンピックの3枠を決められれば、来シーズンは『その3枠に自分も入りたい』っていう気持ちになる。来シーズンは攻めていけると思います」 「積む」から「攻め」へ。年明けの坂本は、五輪に向けてギアを上げていく。
(「フィギュアスケートPRESS」野口美惠 = 文)
【関連記事】
- 【写真】「あれはガッツポーズじゃない…」全日本4連覇も苦笑いの坂本花織…「悔しいです」でも、“世界女王”圧巻の演技を一気に見る!
- 【あわせて読みたい】「イヤイヤ期に来ていて…」フィギュア世界女王・坂本花織が“表彰台に乗れただけ”でホッとしたワケ「自分の性格に救われている部分も」
- 【こちらも】「(内容は)ちょっと言えへんけど…」坂本花織を変えた“コーチとの大喧嘩”…全日本選手権3連覇の裏で日本のエースが泣いていた理由
- 【人気】「いつかパートナーと滑りたいと思って」浅田真央31歳がアイスショー「BEYOND」に込めた想い。愛を深めるシーンは官能的に…
- 【衝撃】「え、こんなに筋肉が…」りくりゅう&かなだいの“肉体改造”…シングル時代と比較したらスゴかった「木原は体重20キロ増」「高橋の1日4食生活」