「あれはガッツポーズじゃないです」フィギュア全日本4連覇、坂本花織が明かす“悔しさ”の意味…中野コーチから「もう少しできるでしょう」
1週間まで“イヤイヤ期”とは思えないぐらい
発想の転換とでも言おうか。何年も積み重ねてきたフリップの跳び方を捨てて、むしろ苦手だったはずのルッツのコースで跳ぶ。今の体調や状況で成功させるやり方を、変化を恐れずに掴み取ったのだ。 「3回転フリップが『こうやったら跳べる』というのを確実に掴めたので、それは自分にとってすごく成長だなと感じました」 全日本選手権の会場に来てからも、フリップは絶好調。そのままの強気でショート本番を迎えると、「3回転フリップ+3回転トウループ」を降り、パーフェクトの演技で締めた。 「1週間前まで“イヤイヤ期”だったとは思えないぐらい、気持ちがすっきりしています。GPファイナルのときよりも自信を持ってできました。練習の成果が出てすごく嬉しい。なんとか間に合わせたなと思います」
「しっかり強気で行かないと」
そして、ショートに臨んだ自分の精神状態を振り返る。 「やっぱり『勝ちに行こう』と思ったときほど成績が良いなと、色々な大会を通して気づきました。GPファイナルから全日本選手権までの期間で『しっかり強気で行かないと』と思えていたことが良かったと思います」 わずか1週間での技術と精神面のブラッシュアップ。そのスピード感が、坂本を世界選手権3連覇へと押し上げた強さだろう。自信を持ってフリーに進んだように見えた。 2日後のフリー。6分間練習では、スピード感あるジャンプを次々と決めた。直前の滑走は、世界ジュニア女王の島田麻央。トリプルアクセルと4回転トウループに挑む高難度の演技を見せ、総合219.00点の高得点で首位につけた。 「麻央ちゃんや他の選手の点数はまったく聞かないでいました。麻央ちゃんの点数が出るまでの時間は、鼻息が荒くなるくらい緊張していました」 中野園子コーチが「4連覇できるのは、あなただけだから」と声を掛けると、「たしかに」と心のなかで返す。「余裕があったわけではなく、それくらい(単純なこと)しか思い浮かばなかったです」 中野コーチの言葉が耳に入ってこない。送り出される姿に、笑顔はなかった。 ミュージカル『シカゴ』の音楽に乗って、身体は自然に動き出す。冒頭で得意技のダブルアクセルを跳んだが、いつものように右足を大きく振り出すことができなかった。見た目はきれいなジャンプ。ただ、坂本の体感としては攻めるジャンプではない。 「最初のアクセルから危なかったです。ちょっと守りに入っていました」
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