“阿部政権”は“原政権”の傀儡であってはならない!『禍福は糾える縄の如し』との格言を御旗に戦え!【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
大勢のほかにもう一枚守護神を FAで楽天・松井を獲得せよ!
阿部新監督[右]は原前監督の幻影を打ち払い、独自の色を出していかなければならない
巨人は、今季限りで原辰徳監督の辞任を表明した。そして、阿部慎之助一軍ヘッド兼バッテリーコーチが、後任監督に就任する人事を発表している。 いまから遡ること20年。2002年から03年まで指揮を執ってきた原監督が、シーズン終盤に突如辞任を表明。その後釜として当時は野球評論家を務めていた俺にお鉢が回ってきたことは、読者の皆さんもご存じだと思う。 まさに「青天の霹靂(へきれき)」とはこのことだよ。俺は長嶋茂雄さんの第2次政権が発足した1993年から投手コーチやヘッドコーチを務めていた。だが、2年連続リーグ優勝を逃した責任を取る形で、98年限りでユニフォームを脱ぐことになった。だから、原監督の後任に指名された俺は、5年間まったく巨人の内部情報が分からなかったわけだよ。 そんな状態で、チームの指揮を執ることは、いささか心許ない。しかし、阿部は俺と違って、今季はヘッド兼バッテリーコーチを務めていた内部昇格だからね。いまの巨人を100%知っているということだよ。これは大きな強みだと思う。 今季の巨人が抱えていた最も大きな課題は、「先発ピッチャーは駒がそろっていても、中継ぎと抑えに人材が不足していた」ということ。守護神の大勢までつなぐ「勝利の方程式」が確立していないことが、クローズアップされていたじゃないか。それでも、中継ぎに関しては、一人ひとりの役割分担をキチンと決めることができれば、現有戦力でも十分に賄えるだろう。 ところが、右上肢のコンディション不良から、今季6月終盤に登録抹消された大勢は、9月半ばに一軍復帰したが、150キロを超える真っすぐのスピードは出ていても、全盛時のキレがまったくよみがえっていなかったからね。この状態では、来季に大きな不安を残したままだよ。 いくら大勢が素晴らしいピッチャーであっても、今季はまだ2年目の若輩だからね。もう少し長い目で見てやらなければいけないのではないかな。 大勢の負担を軽くするために、来季は・・・
本文:2,809文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
週刊ベースボール