ベルモントSに「鞍上交代」で臨んだシエラレオーネは課題を残す3着 伏兵Vドーノックはメイジ全弟
【TPC秋山響の海外競馬解析】米3冠最終戦のGⅠベルモントSはベルモント競馬場の改修工事に伴って、今年は舞台を同じニューヨーク州内のサラトガ競馬場に移し、8日に行われた。距離もダート12ハロンからダート10ハロンへ短縮された一戦は、8番人気の伏兵ドーノック(牡3=父グッドマジック、D・ガーガン厩舎)が直線入り口で先頭に立って優勝。昨年のGⅠケンタッキーダービー優勝馬メイジの全弟が栄冠を手にした。 元メジャーリーガーのジェイソン・ワース氏も部分所有するドーノックは昨年12月のGⅡレムゼンS(ダート9ハロン)と今年3月のGⅡファウンテンオブユースS(ダート8・5ハロン)を逃げて連勝。 その後は4月のGⅠブルーグラスSでは先手を取れず、レムゼンSで先着していたシエラレオーネ(今回3着)の4着。続いて前走ケンタッキーダービーも中団からの競馬となってミスティックダン(今回8着)の10着に敗れていたが、今回はGⅠプリークネスSからの連勝を狙って逃げたシーズザグレイを半馬身ほど前に見つつ、目の前や外に馬のいないポジションを確保。気分良く走って、その実力を最大限に発揮した。 半馬身差の2着に終わったマインドフレーム(牡3=父コンスティチューション)も能力は非凡。今年3月のデビュー戦を13馬身3/4差、5月の2戦目を7馬身半差で圧勝して臨んだ新星だったが、最後の直線でムチが入ると大きく外にヨレる場面が。そこから差を詰めてきただけに惜しい競馬だった。 3着シエラレオーネはレースぶりが粗削り。今回はT・ガファリオン騎手からF・プラ騎手へと乗り替わり、さらにハミも替えて臨んだとのことだが、またしてもスタートが決まらず後方からの競馬となり、直線では内にヨレていた。非常に魅力的な馬で、能力そのものはこの世代でも最上位だと思うが、まだ課題が多い。
東スポ競馬編集部