不凍液連続殺人事件「まるで悪夢を見ているようだった」…4人を毒殺した”浅草のボンボン息子”の叔父が語る「魔」の半年間
「ケン坊は葬儀でも親族を避けていた」
その2カ月後、八恵子さんの後を追うように、健一容疑者の姉・美奈子さんもこの世を去った。美奈子さんは、勇さん夫妻や健一容疑者ら夫妻と同じマンションに住むかたわら、「ホソヤ産業」の会社経営にも携わっていたが、亡くなる半年ほど前、勇さんの兄の妻は、美奈子さんについて”妙な話”を聞いていたという。 「八恵ちゃんから『最近、よく美奈子が風邪を引くのよ』と聞いてましたね。でも、ミナちゃんには持病もなかったし不思議に思ってたんだけど、そしたらマンションの部屋のドア付近で倒れてたみたいで…。 ミナちゃんに関しては、勇さんが会社(ホソヤ産業)を立ち上げたばかりの時に1年ほど預かっていたことがあって、とにかく大人しい子でしたよ。八恵ちゃんが『口数が少ないからこれではいけない』とか言って、保険のセールスに勤めさせたりもしたんですよ。私も色々と面倒を見てきたぶん、やっぱりショックは大きかった」 こうして半年間で、3人もの親族が相次いで死亡した。勇さんの葬儀は、親族を殺害した張本人でもある健一容疑者が喪主を務めたという。勇さんの兄はこう語る。 「自宅に長男のケン坊から『告別式の出席確認』のハガキが届いたの。それで当日もケン坊が仕切ってたんだけど、気丈に振る舞うというか、ただ儀式に乗っ取って喪主をやってるだけで、顔色ひとつ変えずに無表情だわな。 それに対して長女(健一の姉)は式場でもすごい泣いてた。そりゃ家族が立て続けに3人も亡くなったわけだからね、嗚咽の混じった声も聞こえたよ。葬式のあとに親族で食事をすることもなかったから、僕自身、ケン坊と話すことはなかったんだけど、今思うと、ケン坊は疑われてると思ってこっちを避けてたのかなって思うよね」 つづく後編記事『「あいつにはガッカリだ」浅草家族4人殺し…「ボンボン息子」と亡き父の間に《確執》が生まれた「本当の理由」』では、周囲からボンボン息子と称される細谷健一容疑者の素顔について詳しく報じる。
現代ビジネス編集部