全国自動車用品工業会理事長「今のような円安が続くと、人材面などいろいろな面で日本が不利になる」
全国自動車用品工業会の菱田保之理事長
全国自動車用品工業会(JAAMA)は2月15日、2024年度の通常総会を開催し、記者会見を行った。その中で菱田保之理事長(高野自動車用品製作所社長)は「今のような円安が続くと、人材面などいろいろな面で日本が不利になっていくのではないか」と危惧した。 昨2023年度の自動車用品業界を取り巻く状況は、バッテリー、エンジンオイルなどのメンテナンス関連が牽引し、3月、4月、5月、6月、7月、9月、11月の7カ月間で既存店の売上高が前年同月を上回った。特にバッテリーとエンジンオイルはほぼ毎月のように前年同月を上回った。しかし、カーエレクトロニクス分野は不振が続いているそうだ。 2024年度については、電動車の普及によって内燃機関車で得られたエンジンオイルやオイルフィルターなど収益の一部が失われていくと見ており、一方バッテリーは環境対応車の増加によって関連市場は活性化していくと予想している。 そんな状況を踏まえてJAAMAでは、2024年度の活動方針として、9つのことをあげている。それは(1)一般社団法人化の推進、(2)脱炭素社会への貢献、(3)CASE・MaaSへの対応、(4)「洗車の日」(4月28日)のさらなる強化、(5)FCV・EV自動車の研究、(6)ビジネス国際化の推進・育成、(7)製品の安全対策・環境対策・コンプライアンスの推進、(8)企業を取り巻く危機管理、(9)SDGsへの取り組み、である。 特に一般社団法人化については、今年度中に実現したい思いが強いようだ。「設立56年目を迎え、もう一段のレベルアップを図る意味で一般社団法人化していきたい。そうすることによって、会員の増強にもつながると思うし、現会員も一般社団法人にすることによってさらに誇りを持てるようになるのではないかと思う」 こう話す菱田理事長だが、最近の円安には頭を痛めているそうだ。というのも、自動車用品の原材料は海外から輸入されているものが多く、その高騰分を用品価格に転嫁していかざるを得ないからだ。「B2Bの取引が多いから価格転嫁をしやすいかもしれないが、最終のエンドユーザーにも納得してもらえるようにしていかなければならない」という。
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レスポンス 山田清志