「観終わったあと温かい気持ちになってる」映画『アイミタガイ』黒木華&藤間爽子が語る本作への思いとは? 対談インタビュー
主題歌も担当した黒木華の本音
―――黒木さんはエンドロールで流れる「夜明けのマイウェイ」を歌われていますね。これはどういう経緯で歌うことになったのでしょう? 黒木「なぜか歌うことになっていました(笑)」 藤間「歌は好きなんですか? カラオケとか行きます?」 黒木「カラオケで歌うのは好きだけど、プロの歌手じゃないから…。責任は取れませんよとお話ししました(笑)」 ―――とても素敵な歌声でしたよ。レコーディングはいかがでしたか? 黒木「すごく大変でした。スタッフの皆さんに助けていただいてカタチになった感じです。改めてプロの歌手の方はすごい! と思いました」 ―――おふたりとも出演作が途切れず、お忙しいと思いますが、俳優としての未来はどのように考えていますか? 黒木「私はお芝居が大好きなので、俳優としてできることをやっていきたいです。最近は海外の作品で活躍する日本人俳優も多いですよね。真田広之さん主演の海外ドラマ『SHOGUN』(2024)が世界中で評価され、エミー賞を受賞されて。この結果は、日本の俳優たちに夢を与えてくださったと思うんです。 ただそこに至るまで、真田さんはとても時間をかけて、私たちが想像できないほどの苦労をされたと思うので、本当に尊敬しますし『私も頑張ろう』という気持ちになりました」 藤間「どういう俳優になりたいかという質問はよく聞かれるのですが、本当に困ってしまって…。今、自分がやっていることでいっぱいいっぱいというのが正直な気持ちで、将来のヴィジョンはまだ持てないんです。 私は舞踊家の一面もあり(日本舞踊家・三代目藤間紫)、そちらでは振り付けをしたり、お弟子さんの稽古を見たりしていて、作り手側の仕事もしているのですが、俳優としては、与えられた役をしっかり考えて演じることに今は集中しています」 ―――では最後に、『アイミタガイ』をご覧になった感想を教えてください。 黒木「とても温かい気持ちにさせてくれる映画だと思いました。コロナがあって、人と接する機会を奪われた時期があったせいか、人と人とがつながって想いを伝えてゆく姿、優しい想いがつながっていく姿がすごく美しくて好きでした」 藤間「私も華さんと同じで温かい映画だと感じました。この映画は悪い人がまったく出てこないんです。私は意地悪な見方をしてしまい『こんなにいい人しかいない世界ってあるの?』と思ったりしたのですが、でも観終わったあと『世の中がこうあってほしい』と。そんな願いが込められた映画だと思います」 (取材・文/斎藤香)
斎藤香