「観終わったあと温かい気持ちになってる」映画『アイミタガイ』黒木華&藤間爽子が語る本作への思いとは? 対談インタビュー
2013年に刊行された短編小説を映画化した『アイミタガイ』が11月2日(金)より公開中だ。本作は、一期一会の連鎖が大きな輪になっていく群像劇だ。今回は、本作に出演している黒木華さんと藤間爽子さんにインタビューを敢行。撮影の裏話から俳優としての未来について、たっぷりとお話を聞いた。(取材・文/斎藤香) 【写真】黒木華&藤間爽子の良さが伝わるインタビューカットはこちら。映画『アイガミタイ』インタビューカット一覧
黒木華と藤間爽子が語る役の共感点
―――『アイミタガイ』は人の優しさが心に染みる温かい映画でした。まずは演じた役について聞かせてください。 黒木華(以下、黒木)「梓はウェディングプランナーですが、両親が離婚をしていた影響から、恋人はいるけれど、結婚に対してポジティブな気持ちを抱けない女性です。自己肯定感も低めなタイプですが、意外とこういう女性は多いのではないかと思いました。 私も梓と同世代なので、結婚は家族や親戚も関係することでふたりだけの問題ではないことなど理解できますし、相手との気持ちのすれ違いも共感できます。だからあえて梓役を理解しようとしなくても、梓から発せられる言葉や感情が自然にスッと自分に入ってきました」 ―――共感度は高かったんですね。 黒木「お芝居に関してはプライドを持って演じたいと想っていますが、それ以外のことについては梓みたいにネガティブに考えたりすることもけっこうあるので。叶海を失ったあとの彼女の不安な気持ちなどに共感できました」 藤間爽子(以下、藤間)「私が演じた叶海は、フォトグラファーとして夢や希望を持って仕事をしている女性です。彼女は何気ない日常を撮影するのが好きで、普通は通り過ぎてしまうようなことにも気づいてシャッターを切るようなピュアな感性の持ち主。そんなところが素敵だなと思いました。 はっきり物を言うところがあるので、一見、梓と正反対に見えるのですが、家族のことを常に気にかけているところなど梓と似ていますし、役の見せ方が違うだけで、親友ですから共通点はあると思います」 ―――叶海は物語冒頭で亡くなってしまいますが、映画全体にわたって、ずっと彼女が生きているような存在感がありました。 藤間「叶海は前半で亡くなってしまうので、出演シーンはそれほど多くないのですが、『爪痕をしっかり残さなくては』という気負いもなく、叶海の人生だけを考えて集中してお芝居ができたので、ずっと存在を感じられたと思っていただけたのはとても嬉しいです」