“新潟駅”の改修進む…運休続く“米坂線”の今後は? JR東日本・新潟支社長が見据える展望
にぎわい創出へ「地域と一緒に取り組みを」
新たな新潟駅の可能性を語る白山支社長は、1993年にJR東日本に入社。 新潟支社長として地域のニーズを捉える際に、駅長時代の経験が生きてくると考えている。
「各駅には、お客様の層、混む時間帯の違い、季節の変化があって、その場所に合わせたオペレーションが求められる。そうした意味でエリアのサービスを考えるとき、地域の皆さんと向き合いながら色々と考えることは大切なことだと思っている」
これまでには、JR東日本新潟支社と地元商店街が共同で「スポーツゴミ拾い」のイベントを開催するなど、新潟駅と市街地のつながりをつくり出そうと試みてきた。 「新潟駅は、やはり新潟の大きなシンボル。そこに注目してもらうための話題づくりを絶えずやっていきたい。ただ、我々が頑張るだけではにぎわいはつくれない。地域の魅力を発信するには、地域の情報をつくっていく人たち、地域の皆様との取り組みが重要だと思っている」
運休続く米坂線 地元自治体との協議は…
重視する「地域との取り組み」。その中で大きな課題となっているのが、2022年8月の豪雨で被災した米坂線をめぐる地元自治体との協議だ。 JR東日本は米坂線の復旧費用が86億円に上ると試算。 さらに、1990年から2020年の30年間で米坂線沿線の人口は2割減少、鉄道利用は7割以上減少しているというデータを示している。
JR東日本は米坂線について、復旧か廃線かの前提を置かずに ①復旧費用(負担割合)について ②将来的な米坂線の安定運行の方策について この2つを両輪で検討したいとしている。
一方、自治体側は2023年9月、JR東日本との初協議の場で米坂線の「早期復旧」を求めた。 新潟県交通政策局・太田勇二局長は、「米坂線は地域住民の通勤通学の重要な移動手段であり、山形・新潟両県を結ぶ広域ネットワークとしても非常に重要な役割を担っている。早期復旧は沿線自治体の総意である」と述べている。
米坂線の安定運行へ「自治体からも方策を」
人口減少が進む中、白山支社長は米坂線を安定運行するための方策を自治体の視点からも考えてほしいと強調する。 「乗って下さる方がいないと鉄道機能は果たせない。お客様が増えるための方策を、もちろん我々も考えるが、地域の皆様にも地域の問題として考えていただきたいと思っている」 地域が鉄道の存続を当事者として考える。そこに打開策は生まれるのだろうか。