【阪神】藤川球児監督、地元高知のファンへ優勝を堂々宣言 ブルペンで捕手側に2本のゴムひも
阪神藤川球児監督(44)が1日、「球児イズム」全開で高知・安芸での秋季キャンプをスタートさせた。まずはセレモニーで「優勝を奪還できるように」と地元高知のファンへ堂々の宣言。ブルペンに高低を意識させるゴムひもを設置したり、高卒3年目の捕手、中川勇斗(20)には外野練習に挑戦させるなど、球児カラー全開。豊富なアイデアと指導で、選手たちを大きく成長させる秋にする。 ◇ ◇ ◇ 背番号22が12年ぶりに安芸に帰ってきた。雨の中でも地元高知に集まった250人のファンに、藤川監督はよどみなく言い切った。「たくさんの阪神タイガースのOBの方々が、この球場で汗を流していきました。ここから17日まで精いっぱい選手たちとともに鍛えて。来シーズン、優勝を奪還できるように戦っていきます」。セレモニーのスピーチで堂々の宣言。岡田前監督は「アレ」と表現してきたが、新指揮官ははっきりと「優勝」の2文字で誓いを立てた。 初日から精力的に動き回った。特に目を引いたのは、指揮官もかつて投げ込んだブルペン。3つのレーンの捕手側に、高めと低めのストライクゾーンの境目に2本のゴムひもが張られていた。「投げ込む時にどういうことを意識して投げるか、高めなのか低めなのかというのはすごく大事。どういう狙いでみんなが投げるかなと」。目安があることで高低を意識付けし、より強いボールを投げる。1軍では20年以上前に行い、2軍でも数年前まで導入されていた練習法だ。この日は門別や西純、富田らが早速、その効果を確かめながら投球した。 ブルペンは投手陣20人のうち、初日から若虎17人が投げ込む大にぎわい。指揮官は椎葉やマルティネらの直接指導に乗りだし、茨木や及川らには前向きな言葉をかけるなど動き続けた。 もちろん本職の投手だけでなく、野手の練習もじっくり観察。新たな動きを見せたのは高卒3年目の捕手中川だ。筒井外野守備兼走塁チーフコーチとともに、外野練習に励む姿があった。右手を痛めて練習メニューが限られることも理由だが「打撃が非常に優れた選手。これを1つきっかけにちょっと違う練習をして」とパンチ力自慢の選択肢を広げるプラン。選手もコーチも監督も、積極的にチャレンジする安芸の陣だ。 指揮官としてのキャンプ初日を終え、その表情には充実感がにじんだ。「平常運転なのかなと。選手たちが非常に活気あふれて。こんな天気でしたけど、笑顔もありながら、その中で追い込んでいる姿を見て、選手たちの状態も非常にいいんじゃないかな」。秋季キャンプは球児カラー全開。チーム全体でのびのびと成長する。【磯綾乃】 ▽阪神栄枝(ブルペンで茨木と対話)「使える球とそうでない球を2人でしっかり確認しました」 ▽阪神西純(2度ブルペンに入りフォームを修正)「良いときの感じに戻す練習をしている。状態も良くないし、一気に変えるタイミングなのかな。なるべく早く良い形を作り上げたい」 ▽阪神門別(ブルペンのひもについて)「あんまり気にしないで投げられた。高さとかは分かりやすい。意識しても高く浮いちゃう時はありましたけど、しっかり間に抑えられたかな」 ▽阪神中川(外野守備を練習)「自分の幅を広げるのは良いことですし、どんどん他のポジションもやって、自分の長所を生かしていければと思います」