阪神・桐敷 CSフル回転の誓い「こんなに投げさせてもらえるとは」“スペードのエース”名付け親・岡田監督に恩返しへ
阪神・桐敷拓馬投手(25)が5日、甲子園球場 で自主練習し、CSでのフル回転を誓った。レギュラーシーズンではDeNA、巨人に対して防御率0・00と好相性。今季は自己最多70試合に登板し、43ホールドポイントは中日・松山と並びリーグトップ。中継ぎ適性を見抜き、“スペードのエース”と名付けてくれた岡田監督へ恩返しする。 練習休日の昼下がり。甲子園の外野ポール間を黒い人影が走っていた。パーカ姿で大粒の汗を滴らせていたのは桐敷だ。「完全オフはあまり好きではないので。昨日は完全オフにしましたけど、今日は軽くジョギングしようかなと」。12日から始まるCSファーストSに向けて、休日返上で再スタートを切った。 岡田監督へ、恩返しのポストシーズンが幕を開ける。昨年のフレッシュ球宴で中継ぎ適性を見い出され、後半戦からリリーフに転向。前政権時の2007年に90試合登板の球団記録を樹立した久保田(現1軍投手コーチ)のように重宝され、今季は自己最多70試合に登板した。絶大な信頼は起用を見れば明らか。1年を通して大事な場面を任せてくれた指揮官へ、感謝の思いは尽きない。 「まさかこんなに投げさせてもらえるとは思わなかったので。まだ(ポストシーズンは)ありますけど、とりあえずシーズンは完走できた。いろいろな経験をして課題も出た。勉強にもなりましたし、来年のシーズンへの自信にもなります」 CSファーストSで激突するDeNAには今季13試合に登板し、防御率0・00。ファイナルSで待ち構える巨人打線に対しても15試合で無失点と圧倒的な成績を残した。「いいイメージを持ちながらいきますけど、シーズンよくてもここで負けたら終わり。シーズン以上に一球一球丁寧に投げることが重要」。昨年、広島とのCSファーストSでは2試合に登板。第3戦は同点の六回からマウンドに上がり、2イニングをピシャリ。勝ち越しを呼び込む快投でCS初勝利を飾っている。昨年の経験も生かし、フル回転する意気込みだ。 今季最終登板は9月29日・DeNA戦で、CS初戦まで中12日となる。シーズン中にこれだけ登板間隔が空くことはないが、「キャッチボールして確かめながら調整していきたい」と頼もしい。現在、43ホールドポイントは中日・松山と並び、リーグトップ。岡田監督が「ここまできたら取らせてあげたい」と親心を見せた最優秀救援投手のタイトルも近づき「本当に自信になる」とうなずく。岡田監督は野球人生を変えてくれた恩人。逆転日本一まで“スペードのエース”は全力投球で応える。