完熟イチゴ味わって クリスマス向け出荷ピーク 八戸・市川地区
クリスマス向けイチゴ出荷が「八戸いちご」発祥の地である八戸市市川地区でピークを迎えている。ハウス4棟で生産を手がける風穴求さん(65)方では20日、良食味の「よつぼし」を収穫。近年の天候に苦慮しているが「高糖度に仕上がった。収穫は来年6月まで続くので、長い目で頑張る」と作業に励んだ。 イチゴは暑さに弱く、花芽の未分化など生育不良を起こす。風穴さんは昨年の猛暑を踏まえ、例年より7~10日ほど遅い9月下旬に定植。しかし、前年より朝晩が冷え込んだためか、収穫開始は平年より2、3週間遅れた。「天気に振り回され難しい」と困り顔だ。 ただ、病害の発生はなく品質は高い。八戸産は近隣での流通がほとんどで、新鮮な完熟を味わえるのが強みだ。「クリスマスはもちろん、旬の春にも味わってもらえるよう良い物を作っていく」と意気込んだ。 卸売業の八戸中央青果によると、クリスマス向けの取引は23日ごろまで行われる見込み。冬場の小売店果物コーナーはイチゴやリンゴ、ミカンが中心。しかし、西日本産ミカンが不作であることに加え、ガソリン補助金の縮小によって遠方からの集荷が鈍る可能性を指摘する。 イチゴについて担当者は「ミカンが少ない分の売場スペースを考慮すると、クリスマス後も地場産は高値で維持されるのでは」と見立てを示した。
デーリー東北新聞社