グーグルが見る日本市場の独自性と成長性とは?
Googleはこのほど、AndroidやiOSのアプリ開発者向けに「Google for モバイル アプリ」というイベントを東京・六本木で開きました。「Googleと切り開くアプリ ビジネスの未来」と題した基調講演では、アジア太平洋地域統括副社長のクリス・ヤーガ氏が、同社の今後注力すべきアジア市場、特に日本市場の展開について語りました。同氏の発言から見えてくる日本の市場の独自性と成長性とは?
日本のスマートフォン利用時間はフランスの2倍
日本でのスマートフォンの普及は誰もが実感していますが、アジア圏ではその使われ方自体が大きく欧米と異なっています。 Googleの調べでは、日本人の一日あたりのスマートフォン利用時間はフランスの2倍にものぼるそうです。15歳~25歳の若年層では、すでにテレビの視聴時間をスマートフォンの利用時間が大きく上回っており、スマートフォンをメインのコンピューティングデバイスとして利用しているという背景がうかがわれます。 情報、エンターテイメント、ツール、コミュニケーション、様々なものが集約されたスマートフォンは、すでにテレビやパソコンといった既存のデバイスの延長ではなく、生活をそこに委ねる依存性の高い端末となっているのでしょう。
スマートフォンが日本で成功している理由とは?
世界中で多くの企業が、モバイルでの利用を前提とした開発や運営を行う「モバイルファースト」を方針に掲げ、スーパーや薬局、コーヒーショップなど身近なところまでスマートフォンの展開を進めています。 アジア圏は、先述のようにスマートフォンの利用時間割合が高い分、「モバイルファースト」があたりまえの世界になっており、「モバイルファースト」のイノベーションはアジアから始まっていると言います。 日本では特にゲーム「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」の成功も寄与し、国別売上高ではトップとなっています。その背景として「日本人には、ユーザの体験を完璧にしたいという感覚が文化として根付いているのでないか」とヤーガ氏は考えています。