井上尚弥を抑えて受賞…2023年の世界戦で「17階級で最高」と評された日本人・重岡銀次朗の“衝撃の試合”
WBO王者を見据えて目の前のことをコツコツと
銀次朗がカルデロンの指導を受けた日の帰り際、2階級制覇王者は話した。 「良かったら、明日もどうだ? オスカー・コラーゾが来ることになっているんだ」 コラーゾは、現WBOミニマム級チャンピオンで、今日、銀次朗が最も対戦したい選手である。 「マジで、即にでも統一戦をやりたいです。でも、ヤツと顔を合わせるのは、リングの上だという思いがあったので、お断りしました。もう一日、カルデロンさんと練習したい気持ちは強かったんですが…」 27歳のWBO王者も、やはり銀次朗と同じサウスポーだ。ルーツはプエルトリコにあるが生まれはアメリカで、7戦目で世界チャンピオンとなっている。 「豊富なアマチュアキャリアを持ち、巧くて強い選手です。今、ミニマム級で最強と呼ばれていますし、噛み合う自信はあります。試合となれば、KOしますよ。プロで無敗同士、お互いにサウスポーですし、統一戦なら価値があるでしょう。是非、戦いたいです」 コラーゾとの統一戦を実現させるためにも、銀次朗は7月28日に決まった指名挑戦者、ペドロ・タドゥラン戦をクリアしなければならない。 「タドゥランはタフで頑張る選手です。12ラウンド、フルに戦う準備をします。もちろん、それまでに倒せる展開に持っていきたいですが。僕はまだまだ成長します。次の章に向けて、圧勝したいですね」 銀次朗は、年間最高試合を与えられた技術とメンタルを、どのように見せていくか。 まずは、7月28日に注目だ。
林 壮一