「自分へのご褒美」経済へようこそ…アメリカでパーソナルケア関連の支出が増加(海外)
パーソナルケア関連支出の増加は、アメリカの消費者が自信を深めている兆候かもしれない。 9月の小売売上高が予想を上回ったことは、「自分へのご褒美」経済の到来を示している。 景気が回復し始める中、消費者はより贅沢な商品を求めているのかもしれない。 長くて流れるような髪と完璧に手入れされた肌は、経済が上向きになっていることを示しているようだ。少なくとも、アメリカの消費者はそのように振る舞っている。 アメリカではここ数カ月、小売売上高やパーソナルケア支出が増加しており、消費者が景気後退への懸念や長引くインフレの中で控えていた贅沢を、再び楽しむようになっていることを示している。 連邦政府の統計によると、2024年8月の小売売上高は前年同期比1.4%増となり、エコノミストの予想を上回った。 ワシントン・ポストの記者、ヘザー・ロング(Heather Long)は10月中旬に公開されたラジオ番組「マーケットプレイス」で、「自分へのご褒美経済」と名付けたトレンドについて紹介しており、小売売上高の増加はそれに沿うものとなっている。ロングはこう述べている。 「今年は『プチ贅沢』の年といった感じがする。それは経済にとって非常に良い兆候だ」 アメリカ経済研究所のシニアエコノミスト、ピーター・C・アール(Peter C.Earle)がBusiness Insiderに語ったところによると、消費者は厳しい経済状況に耐えた自分への「ご褒美」として、身の回りの商品やサービスをアップグレードすることがあるという。 ロングはそのようなご褒美の一例として「ユタヘア(Utah hair)」のトレンドを挙げている。これは、Huluの人気リアリティ番組「The Secret Lives of Mormon Wives(モルモン教徒の妻たちの秘密)」の出演者たちのヘアスタイリングとして知られるようになり、ここ数週間でTikTokなどのソーシャルメディアプラットフォームで爆発的に広まっている。 ユタヘアとは腰まである完璧なウェーブヘアのことで、これを作るための人毛エクステやスタイリングサービスに2000ドル(約30万円)を費やす女性もいると、ある美容師がウォール・ストリート・ジャーナルに語っている。 このトレンドはお金がかかるものであり、パーソナルケアへの支出が全米で減少していた昨年や一昨年であれば実現しなかったかもしれない。 アールによると、不況や経済の低迷期には、パーソナルケアにおける消費者の行動が必需品のみを重視する傾向になり、専門的なアイテムよりも石鹸やシャンプーといった必需品を優先するようになるという。
Erin Snodgrass