米大統領選史上まれにみる大接戦…世論調査平均はハリス氏48・7%、トランプ氏48・6%
【ニューヨーク=山本貴徳】米大統領選の投票が5日朝(日本時間5日夜)、東部各州から始まった。女性・アジア系初の大統領を目指す民主党候補カマラ・ハリス副大統領(60)と、返り咲きを狙う共和党候補ドナルド・トランプ前大統領(78)が互角の戦いを続けており、史上まれにみる大接戦となっている。投票は5日夜までに締め切られ、即日開票されるが、大勢の判明には数日かかる可能性もある。
米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」の世論調査平均(5日未明)によると、全米での支持率はハリス氏が48・7%、トランプ氏が48・6%となっている。
両候補は選挙戦最終日の4日、全体の勝敗を左右する激戦州に入り、最後の追い込みをかけた。ハリス氏はペンシルベニア州フィラデルフィアで選挙戦最後の演説を行い、「米国は新たなスタートを切る準備ができている」と強調。トランプ氏はミシガン州グランドラピッズで、争点の経済対策や不法移民対策に触れて「私たちは戦う。米国を再び偉大にする」と語り、選挙戦を締めくくった。
米大統領選は、全米の50州と首都ワシントンに割り振られた計538人の選挙人のうち、過半数の270人を得た候補が勝利する。米メディアによると、ハリス氏は選挙人226人を、トランプ氏は219人を固めており、僅差で競り合う激戦7州(選挙人計93人)の行方が焦点となっている。
大勢判明は、開票作業が順調に進んだ場合でも、6日未明(同6日午後)以降になる見通しだ。開票に手間のかかる郵便投票が増えており、日数がさらに必要になるとの見方もある。
投票状況を分析するフロリダ大のまとめによると、4日午後の時点で約8100万人以上が期日前投票や郵便投票を済ませた。前回2020年の大統領選の投票総数(約1億5800万人)の半数を超えた。
5日夜はハリス氏はワシントンで、トランプ氏は自らの邸宅があるフロリダ州で開票の行方を見守る見通しだ。5日は、連邦議会の上下両院選と一部の州知事選も実施される。下院は全435議席が、上院は定数100議席のうち補選を含む34議席が改選される。