尹大統領夫人の捜査法案可決 与野党は拒否権後の再採決見据え攻防
【ソウル聯合ニュース】韓国の国会は14日の本会議で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させるための特別法案を可決した。国会で過半数を占める最大野党「共に民主党」が主導した。与党「国民の力」は強く反発して採決を退席。尹大統領に拒否権の行使を促した。 野党主導で可決された同様の法案はこれまで2回、大統領の拒否権行使による再採決を経て廃案になっており、今回も尹大統領は拒否権を行使する可能性が高い。 尹大統領が拒否権を行使し同法案が国会に差し戻された場合、共に民主党は国民の力から造反者が相当数出ると期待する。一方、国民の力はこの日開いた議員総会で同法案の可決阻止に「一枚岩」で臨むことを確認した。 拒否権が行使された法案が再可決されるためには、在籍議員(300人)の過半数の出席と出席議員の3分の2以上の賛成が必要で、108議席を持つ国民の力からの造反が必須となる。 国民の力は金氏の問題で攻勢をかける野党に対し、大統領の親族の不正行為などを監視する「特別監察官」の設置推進で対抗した。尹大統領が金氏の問題と関連して謝罪し、金氏の対外活動の自粛などを約束したことを強調したうえで、特別監察官の任命による再発防止をアピールする。 与野党の攻防は、国会で同法案の再採決が行われることが予想される今月末に近づくにつれ激しさを増すものとみられる。 共に民主党が今回提出した法案はこれまでに比べて捜査対象となる疑惑が大幅に絞り込まれたほか、特別検察官の候補も野党ではなく大法院長(最高裁長官)が推薦するよう変更された。与党が法案を拒否する名分をなくし、造反を促す狙いがあるとみられる。 国民の力は、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の裁判2件の一審判決が今月に予定されていることから、これに合わせて攻勢に出る準備を進めている。15日に李氏の公職選挙法違反事件、25日には偽証教唆事件の判決が言い渡される。公職選挙法違反で有罪が認められ100万ウォン(約11万円)以上の罰金刑が確定すれば、議員職を失う。5年間被選挙権を失い、2027年に行われる次期大統領選に出馬できない。
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