「普段はビッグイシュー誌の販売を…」 “ホームレス”サッカー大会、13年ぶりに日本代表が出場 選手が代表選出に喜び
“目に見えにくい”ホームレスたちがいる。ネットカフェ難民や支援団体が提供する施設に一時的に居住するなど、安定した居住状況にない人たちだ。道路や公共空間を利用する路上生活者だけでなく、これらの“広義のホームレス”を対象に、自立を支援するサッカーの世界大会がある。開催19回目を迎える「ホームレス・ワールドカップ」だ。今年、日本代表チームのオフィシャルスポンサーに不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」を運営するライフルが就任し、13年ぶりに日本代表の出場が発表された。 【画像】「ふだんはビッグイシュー誌の販売を…」と話す山田選手
■毎年世界50ヵ国以上から500名以上が参加 ホームレスによるサッカー大会
ホームレス・ワールドカップは、ホームレス状態の人々の自立を支援するために2003年から毎年開催されているストリートサッカーの世界大会だ。サッカーを通じて生きがいや人との関わりを取り戻し、社会復帰を目指す。毎年50ヵ国以上から500名以上が参加し、8日間にわたって試合が行われる。試合はゴールキーパーを含む1チーム4人制で、コートの広さはフットサルよりも狭い22m×16m。試合時間は前後半7分。今年は9月21日(土)から韓国・ソウルで開催される。 大会に出場する世界各国の選手は、政治的亡命や貧困難民、更生施設入所者、住み込みで働く生活困窮者など、“安定した居住がない状況の人々=ホームレス”だ。日本でも若年層に増えているネットカフェ難民やDV被害者をはじめ、依存症からの回復施設で生活している人や家族を頼れずに社会的孤立を余儀なくされている人など、安定した住居を確保できない人たちが増え、大きな社会問題となっている。 日本代表は過去3回出場。2012年以降、資金的な課題に加え、選手集めの困難から、出場を見送ってきたが、近年の“広義のホームレス問題”への理解を深めるため、NPO法人ダイバーシティサッカー協会を含む社会的弱者を支援する7団体が、大会の周知や選手選考に尽力。また、これまであらゆる住宅弱者をサポートしてきたライフルがオフィシャルスポンサーに就任し、13年ぶりの出場実現となった。 日本代表チームは、生活困窮者支援や親に頼れない若者の支援などを行う3つの非営利団体から選抜された8名。16歳から65歳までの多様な経歴を持つ選手たちが、世界に挑む。