夏のウーバーイーツ配達で必ず直面する「サラダ問題」【チャリンコ爆走配達日誌】
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第62回 ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります! * * * ダイエット中でカロリーを気にする時期にお世話になるだけではなく、夏バテ気味でコッテリしたものを体が受け付けない時にもありがたい存在なのがサラダ。 特にサラダ専門店の商品は野菜の量も多く、低脂肪&ボリューミーであっさり食べられるものから、トッピング次第では満足感のあるガッツリ系まで種類が豊富。さらにドレッシングもノンオイルでもしっかり味のあるものがラインナップされています。 こんな感じで自分好みにカスタマイズできることから、サラダ専門店の商品を運ぶ機会は年々増えているのですが、夏バテになる方が多くなるこの季節はさらに注文が増えます。 今回は、そんなサラダの配達のお話です。 専門店のサラダの一番の特徴は野菜の多さ。直径25cmほど、高さ12cmほどの容器に野菜やトッピングの具材が盛り込まれます。容器は紙製で中身が見えないため、どのような感じで盛り付けられているのかはわかりませんが、6年前に初めて受け取った際、「サラダなのにズッシリしているな」と感じたのを今でも覚えています。 そんなボリュームあるサラダを配達する際に店から渡されるのが、紙製の大きなサラダボウル以上にボリューミーな紙製の手提げ袋。大きな容器を入れるためには大きな手提げ袋が必要だというのは理解できますが、そのサイズは配達員が普段背負っているリュックをひと回り小さくした程度の大きさ。しゃれたデザインの袋なので、折り目の入っている部分以外を折り曲げるのは、はばかられる感じもします。 この巨大手提げ袋に入れる文化はサラダ専門店では当たり前のようで、少なくともこれまで私が配達したサラダ専門店の商品にはビニール製のレジ袋を使っている店はありません。また、最近はタコスを売りにしている店が専門店のようなボリュームのあるサラダを販売、ウーバーによるデリバリーを行なう店も増えていますが、そういった店でも巨大でおしゃれなデザインの紙製の手提げ袋を渡されます。 以前、この連載で触れたように、配達員は日々BAD評価におびえながら運んでいるので、リュックの中に手提げ袋を無理やり入れて、変な折り目をつけてしまうとBAD評価をつけられてしまう可能性があります。そんなわけで私は、涼しい季節は自転車の前カゴにいれてサラダを運んでいます。 ですが、深夜でも25度を下回らない日が続くこの季節に同じことをすると、暑さで野菜がしなしなになる可能性があり「シャキシャキしたサラダを味わえなかった!」とBAD評価をつけられる恐れがあります。そのため、この季節は手提げ袋をリュックに詰め込み、「BAD評価がつきませんように」と祈りながら配達しています。