福山市、絶えぬ水路転落事故 9月末時点で2人死亡、昨年度は6人 10月初旬には80代女性が骨折
広島県福山市内で道路脇などの水路に転落し、死傷する事故が絶えない。死者は昨年度6人に上り、本年度も9月末までに2人。今月初旬には80代女性が道路から落ち、背骨を骨折した。 【写真】妻が転落した現場の水路を訪れ「また事故が起きかねない」と話す夫 同市新市町の山崎恭子さん(86)は5日夜、自宅近くの市道で手押し車を押して帰宅中、幅1・1メートル、深さ1・2メートルの水路に転落。上がれなくなっていたところを通りがかった男性数人に救助された。背中の痛みが徐々に強くなり、翌日に救急搬送。背骨を骨折し、現在入院中という。 落ちた場所は金属製のふたが途切れ、柵もなかった。山崎さんは「気付いてもらえなかったらどうなっていたか」と男性たちに感謝する。夫の利治さん(89)は「街灯がなく交通量も多い道。また被害が出かねず、市に対策してほしい」と語気を強める。 市によると、昨年度に市道や県道などから水路に転落し死傷した事故は52件。うち死亡事故は6件と2019年度以降の5年間で最も多く、亡くなった6人のうち5人が65歳以上だった。本年度も9月末までに37件の事故があり、65歳以上の2人が死亡した。
中国新聞社