小中高の暴力行為、6年連続で最多 2023年度3920件 軽微事案も認定、要因か 広島県
広島県内の小中高校で2023年度に発生した子どもの暴力行為は計3920件に上り、6年連続で過去最多となった。県教委は学校現場でいじめを未然に防ぐ意識が高まり、体をぶつけるといった軽微な事案も積極的に暴力行為と認定したことが要因の一つとみている。 【グラフ】広島県の小中高校での暴力行為の発生件数の推移 県教委によると、小中高校での子どもの暴力行為は前年度比10・8%増で、現行方式で統計を始めた06年度以降で最も多かった。千人当たりの発生件数は13・5件。全国平均の8・7件を上回り、都道府県別では11番目に多かった。 校種別の内訳は小学校2454件(前年度比9・4%増)中学校1270件(9・6%増)高校196件(45・2%増)だった。 内容別では児童生徒間の暴力が2840件。校内の掲示物を破ったり、落書きしたりするなどの器物損壊549件、教師への暴力486件、学校関係者以外への暴力45件と続いた。 県教委は21、22年度の増加傾向は新型コロナウイルス禍でストレスを抱える子どもが増えたことが影響したと分析。23年度の増加は13年のいじめ防止対策推進法施行後、いじめの予兆となる行為を見逃さないよう教員の研修や学校への通知を徹底してきたことも影響したとみている。 23年度の県内の小中高校と特別支援学校でのいじめの認知件数は前年度比7・9%増の6429件だった。県教委豊かな心と身体育成課は「軽微な段階で解決し、いじめなどの重大事案につながるのを防ぎたい」としている。
中国新聞社