『鬼滅の刃』の主人公は冨岡義勇の予定だった? “柱”たちにまつわる5つの小ネタ
『鬼滅の刃』の主人公は冨岡義勇の予定だった?
●伊黒が甘露寺に「長い縞々の靴下」をプレゼントした理由 柱たちの多くはどこか緊張感が漂う関係性だが、そのなかで例外的なのが伊黒と甘露寺。お互いを特別に気にかけており、ファンのあいだでは“おばみつ”として愛されている組み合わせでもある。 2023年に放送された『刀鍛冶の里編』の第10話では、回想シーンで2人の関係に焦点が当たっており、伊黒が甘露寺に「縞々の長い靴下」をプレゼントするところが描かれていた。 ここで気になるのは、なぜ伊黒がこのプレゼントを選んだのかということ。『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』によると、その理由は「蜜璃が隊服を恥ずかしがってもじもじしていたから」だという。 甘露寺は縫製係の“ゲスメガネ”こと前田まさおが仕上げた隊服を着ており、ほかの女性隊士とは異なる大胆なミニスカート姿となっている。当初はこの服を着ることに恥じらいを覚えていたようなので、伊黒の配慮はありがたかったはず。 とはいえこれは推測だが、伊黒は嫉妬深い性格なので、他の隊士に甘露寺の肌が見られることを避けたかった……という気持ちも含まれているのかもしれない。 ●主人公は冨岡義勇の予定だった? 義勇は炭治郎が最初に出会った柱であり、物語上で大きな役割を担っているキャラクターだ。実はその設定は『鬼滅の刃』の連載が始まる前から存在していたようで、プロトタイプ版では“義勇そっくりの人物”が主人公の座を与えられていた。 連載に至るまでの流れとしては、まず『過狩り狩り』という読み切りが存在し、その後同作をベースとして『鬼殺の流』という連載用ネームが執筆された。いずれも『鬼滅の刃』に近い世界観をもつのだが、主人公は無口で無愛想ながらやさしい心をもつ人物で、見た目的にも義勇にかなり近い。 とくに『鬼殺の流』には連載版に引き継がれた要素がいくつもあり、伴田左近次という人物の弟子として育てられた主人公は、藤襲山での最終選別で思わぬアクシデントに見舞われる。義勇が鱗滝左近次の弟子であること、藤襲山で人生を左右する出来事があったことなどと比べると、連載版との共通点がよく分かるだろう。 ただ、『鬼殺の流』は主人公の寡黙さやハードな世界観が理由で連載会議に通らず、主人公を「明るくて普通のキャラクター」に変更することになり、炭治郎の誕生に至ったという。もし編集部の判断が違っていれば、連載版の主人公が義勇になっていた可能性もあるのではないだろうか。 強烈な存在感によって、『鬼滅の刃』のストーリーを盛り上げてくれる柱たち。『柱稽古編』ではアニメオリジナルの展開も描かれており、その魅力が一層浮き彫りになっている。今後も彼らのさらなる活躍を見守っていきたい。
キットゥン希美