「出ていった人の気持ちは…」リニア開業時期不透明…移転した人は困惑「やるならちゃんとやって」 地元商工会議所「部分開業も検討すべき」
JR東海はこのほどリニア中央新幹線の開業目標を「2027年」から「2027年以降」に変更しました。理由は静岡工区の遅れです。長野県内唯一の駅ができる飯田市では困惑の声が上がっています。
21日開かれたJR東海とリニア中央新幹線の関係市町村の意見交換会。 冒頭、JR側はー。 JR東海・宇野護副社長: 「現時点で新たな開業時期を見通すことはできない状況ですが、可能な限り、早期の開業を目指して取り組んでいく」
品川・名古屋間を40分で結ぶ「リニア中央新幹線」。開業目標は「2027年」でしたが、JR東海はこのほど静岡県内の工事の遅れを理由に「2027年以降」への変更を国に届け出ました。 県内唯一の駅ができる飯田市。 市は周辺に駐車場や広場を整備する計画で、開業時期が不透明になったことに波紋が広がっています。
予定地の周辺では立ち退きが終わった建物を取り壊す工事が進んでいます。 この一角にかつてあったのがー。
自動車の修理や整備を行う「ガレージいじりや」。 2023年3月、2キロ余り離れた所に移転しました。 社長の小林由季さんは2023年3月までと期限を切られたため、移転先探しには苦労したと話します。
ガレージいじりや・小林由季社長: 「毎晩毎晩、社員たちと飯田市内をぐるぐる走って、ここの空いてる土地はどうなのか、ここはどうなのか、そんなレベルでずっと探していたので」 急いで引っ越したのに、開業時期は不透明にー。 ガレージいじりや・小林由季社長: 「やっとの思いで引っ越しした身からすると、やるならちゃんとやって下さいって感じですよね。思い入れってすごくあるじゃないですか、出ていった人の気持ちはわかってほしい」
飯田商工会議所の原勉会頭は「地元の経済界はリニア開業を前提にして動いている」とし、部分開業も検討すべきだとしています。 飯田商工会議所・原勉 会頭: 「(開業が)2028年だか29年だか全然わからないと、事業投資はできなくなる。少なくとも名古屋からまずできたところからリニアは動かして、全線開業まで動かさないというのは、それは困ると言わないと」