大谷登場のMLB開幕戦、多くの韓国ファンが有料配信で楽しむ
(ブルームバーグ): 野球界のスーパースター、大谷翔平選手を擁する米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャースのシーズン開幕2連戦が20、21両日、ソウルで行われた。
観戦チケットを入手できなかった韓国の野球ファンは、オンラインの生中継で見るため4990ウォン(約565円)を支払った。世界的にスポーツイベント視聴への消費者支出が増える傾向があり、韓国もこうした流れに追随すると関係各社はみている。
チケットが完売したサンディエゴ・パドレスとドジャースの開幕戦をオンライン観戦するには、韓国の電子商取引大手クーパンのアカウントが必要だったが、その利用料金が月4990ウォンだ。
今シーズンの残りの試合を視聴するには、月額料金が2倍を超える他の動画配信サービスを利用しなければならない。
法外な料金には思えないかもしれない。だが、これまでデジタルプラットフォームの無料視聴に慣れていた韓国のスポーツファンにとって、経済的負担が増えることに変わりはない。
とはいえ、スポーツのオンライン観戦需要が世界的に高まるにつれ、有料サービスは今後、当たり前になり、韓国企業は最大級のテクノロジー企業やエンターテインメント会社との競争に直面するかもしれない。
争奪戦
MLB運営戦略統括責任者のクリス・マリナク氏はインタビューで「従来型メディアからデジタル配信メディアへの世界的な移行が今まさに起きている」とし、「消費者に達する鍵は、彼らが最も利用するプラットフォームを活用することで、それは市場によって異なると思う」と指摘した。
アジア全域をカバーする主要スポーツ放送局や動画配信会社はまだない。これは向こう数年間はデジタル配信放映権を巡り現地企業の間で激しい争奪戦が展開されることを意味する。
メディア・パートナーズ・アジアによると、アジアのスポーツメディア市場は2026年までに89億ドル(約1兆3500億円)と、21年の67億ドルから拡大すると見込まれている。