年金が振り込まれない! 年金事務所に確認しに行こうと書類を整理したら年金請求を忘れていたことが発覚……どうすればいいですか?
65歳になり、そろそろ年金が振り込まれるとワクワクしていたAさん。しかし、半年が過ぎても振り込まれず、年金事務所に確認しに行こうと、念のためしまい込んでいた書類を読んでみると、年金受給には請求書の提出が必要だとわかりました。年金請求を忘れて時間がたってしまった場合、その分の年金は受け取れないのでしょうか。確認してみましょう。
年金を受け取るには請求することが必要!
公的年金は請求しなければ受け取ることができません。国民年金法第16条と厚生年金保険法第33条に「保険給付(給付)を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、実施機関(厚生労働大臣)が裁定する」とあり、受け取る時期になれば、自動的に振り込まれるわけではありません。(括弧は国民年金保険法) 公的年金を受け取るのは、原則65歳からですが、受け取る人の働き方や生年月日等によって受け取る時期が異なります。その人の年金を受け取る受給開始年齢の3ヶ月前になると、日本年金機構から緑色の封筒が届きます。 緑色の封筒の中には、その人専用の請求書が入っています。住所、氏名、生年月日や年金加入履歴等が印字されています。誕生日の前日以降に手続きすることができるのですが、Aさんのように請求することを忘れている人が少なくないのです。
年金には5年の時効がある!
65歳からの年金は、遅らせると増やすこと(繰下げ)ができます。その人の受給開始年齢が65歳からであれば、請求しないことで、自動的に繰下げ待機に移行していきます。 特に注意が必要な人は、65歳前に受給開始年齢になる人です。なぜなら、65歳前の年金は繰下げすることができないからです。年金には時効があり、年金を受ける権利(基本権)は、権利が発生してから5年を経過したときは、時効によって消滅します。(参考:国民年金法第102条第1項・厚生年金保険法第92条第1項) 65歳前に受給開始年齢になる人は、厚生年金保険の加入期間が1年(12ヶ月)以上ある人です(共済も同様)。生年月日や性別、加入する年金等によって受給開始年齢が異なります。 具体的に男性の場合、昭和36年4月1日以前生まれ、女性の場合、昭和41年4月1日以前生まれの人です(女性で共済加入の場合は男性の生年月日となります)。