大谷出場、WSの米視聴者数は「過去7年で最多」 昨年から2桁増
米MLB(メジャーリーグベースボール)のワールドシリーズ(WS)の視聴率はここ数年低迷していたが、今年は劇的な回復を見せた。第1~5戦のすべてで昨年から2桁の伸びを記録した。 視聴率が回復した主な理由は、ロサンゼルス・ドジャース対ニューヨーク・ヤンキースと好カードとなったことだ。どちらの球団も、全米人口の10%超が住む2大テレビ市場を本拠地としている。約4800キロ離れた東海岸と西海岸でプレーする両チームは全米に多くのファンを持つ。今年のレギュラーシーズンは両チームとも各リーグで最高の勝率となった。また、人気の大谷翔平選手とアーロン・ジャッジ選手にとっては初のWS出場。加えて、ドジャースとヤンキースがWSで対戦するのは1941年以来12回目で、両チームはすばらしいライバル関係にある。 ドジャースが制した5連戦の1試合あたりの視聴者数は、中継したFoxなど全体で平均約1580万人で、昨年比74%増となった。テキサス・レンジャーズとアリゾナ・ダイヤモンドバックスが戦った昨年の5連戦の平均視聴者数は908万人で、過去最少だ。また、今年はドジャースとヒューストン・アストロズが7試合戦った2017年以来、最も視聴されたシリーズとなった。今年の視聴率は近年を上回ったが、視聴者数ではドジャースとヤンキースが最後に対戦した1981年の4140万人にははるか及ばない。 Fox、アプリのFox Deportes、スペイン語放送のUnivision、ストリーミングサービスでの第1戦の平均視聴者数は約1520万人だった。平均約940万人だった昨年の第1戦から62%増加しただけでなく、2017年以来最も視聴された第1戦となった。また、ワシントン・ナショナルズとアストロズが対戦した2019年以来、視聴者が最も多いWSの試合にもなった。今年の第1戦は延長戦にもつれ込み、10回にドジャースのフレディ・フリーマン内野手が逆転サヨナラ満塁本塁打を放った。ニールセンによると、この試合の視聴率のピークは10回で、1780万人が視聴した。 第2戦の平均視聴者数は約1340万人。第1戦から減ったものの、ドジャースとボストン・レッドソックスが対戦した2018年以来、最も視聴された第2戦となった。また、平均視聴者数が約815万人にとどまった昨年の第2戦から64%増だった。ドジャースが勝利した第2戦の終了間際に視聴者数は約1640万人と最も多くなった。視聴率が低かった理由の1つは、大学のチームが競うアメフトの大会の試合中継と時間帯が重なったことだ。