似たもの同士を比べて違いを問う 「解像度」が高まる“具体化思考トレーニング”
「YouTube=能動的」「テレビ=受動的」と言えるでしょう。時間だけでなく、場所も限定されます。Where、「どこで見るのか」という軸です。 YouTubeであれば、電車やクルマで移動をしている途中にスマートフォンで見ることもできます。 一方、テレビの場合は、基本的にテレビ受像機のあるその場所、例えば自宅のリビングであるとか、そういう決まった場所でしか見られません。 「YouTube=どこでも視聴可」「テレビ=視聴場所が決まっている」と言えそうです。次はWhom、「誰を見るのか」という軸。本来は、「Why=なぜ見るのか」にしたいところですが、「見る理由」はあまりに幅が広いので、今回は「Whom=誰を見るか」で具体化します。
■YouTuberは名もなき一般大衆の代表 これも、近年はかなり境界線が曖昧になってきているものの、YouTubeで見られている、いわゆるYouTuberと呼ばれる人びとは、中には芸能人以上に有名な人もいますが、基本的には多くが一般人です。だから、視聴者にとっては身近な存在、名もなき一般大衆の代表です。 一方で、テレビで見られている芸能人のほうは、どちらかと言えば視聴者からは遠くにいる憧れの存在。最近はYouTubeをやっている芸能人も少なくありませんが、基本的にはそういう位置づけになります。
「YouTube=身近なヒーロー・ヒロイン」「テレビ=芸能人」と言えそうです。続いて、What、「何を見るのか」。コンテンツの内容については、ニッチな内容とマス向けの内容のどちらかです。 基本的にテレビ番組にはならないような、非常に細かい、視聴者が限定されたコンテンツも、YouTubeではいくらでも出てきます。 テレビの場合、番組の制作費はスポンサーが負担していますから、マスの視聴率を取ることが基本戦略となり、「広く、浅く」という内容に収まりがちです。
最後はWho、「誰が見るのか」になります。YouTubeの場合はスマートフォンというデバイスの特性もありますが、基本的に一人で見るというパターンが多いと思います。大勢で見るには画面が小さいので。 逆に、家族や友人たちと集まって、皆でワイワイ盛り上がりながら見るのであれば、大画面のテレビを見るというパターンになります。「YouTube=一人で見る」「テレビ=家族や友人と見る」とも言えそうです。
権藤 悠 :株式会社キーメッセージ代表取締役社長