BMSG、LDH、トライストーンも 令和に復活傾向、日本芸能史に欠かせない“運動会”
事務所独自のコンテンツとしての運動会
この流れの中に、芸能事務所による運動会もあると見ていいだろう。普段は異なるグループに属するメンバーがチームを組んでコミュニケーションを図りつつ、ファンを含めた社内外の一体感、結束力を増していくためのイベントとして考えられている。SKY-HIが起業当時から運動会をしたいと考えていたのも、このような効用を狙ってのことだろう(単に運動会が好きという可能性も考えられるが)。 もちろんエンターテインメントとしての側面も大きい。普段見られないアーティストや俳優たちの素顔を見ることができるのだから、ファンとしては大歓迎だろう。芸能事務所としては、映画やドラマなどと異なり、事務所独自のコンテンツとして収益を見込むこともできる。ほとんどの運動会は会場での観覧のほか、有料配信、またはファンクラブ内での配信を行っている。アーティストや俳優のファンを「事務所のファン」にすることができるコンテンツが運動会なのだ。 所属タレントが多く、集客力のある芸能事務所は、今後も運動会を続けていくだろう。芸能事務所の新しい戦略として、昭和の時代に人気のあった行事が復活したというのが興味深い。
大山くまお