聞いていて思わず「ワクワク」してしまう…「気難しい」社内のトップ営業マンが重視する「お客様」との向き合い方
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第6回 『上司は「偉い」のではない…地域を統括するトップ営業マンが教える「すべての仕事に共通する」考え方』より続く
営業のプライドの置き所
人はみんな多少の違いはあっても何かしらのプライドを持っています。「これだけは譲れない」「そういう考え方は許せない」「この姿勢だけは持ち続ける」といったものですが、これが営業における商談や交渉事において結構足を引っ張ります。 営業所の某先輩と商談に行った時のこと。いきなり先方の担当者が開口一番「あんたのところは自販機も商品も高い。もっと安く卸してくれないと儲けなんか出せっこないじゃないか」と前回渡した見積書を突き返してきます。 さらに「あんたは商売ってのがわかっているのか」と。その言葉に先輩も熱くなったのか「ちゃんとした原料を使って、質のいいものをつくっているんだから、このくらいの卸値になるのは当たり前。私はあんたのところに儲けさせたくてこの話をしたんだ。やってもいないうちから儲けが出ないなんてわからないだろう」と言い返しました。ほとんど売り言葉に買い言葉の応酬が始まり、もはや商談の体をなしていません。当然のことながら交渉決裂です。
営業成績上位の先輩に同行
店を出て、次に向かうクルマの中で先輩が私に話しかけます。 「あの言い方はないよな。せっかくいい話を持って行ったのに。ものには言いようがあるだろう。そう思わないか」 「はぁ、そうですね」 私は曖昧な返事を返しながら「この人から自販機を買ってくれる店があるんだろうか」との思いが頭をよぎりました。 別の日、今度は同じ営業所の石元さんと同行です。石元さんは毎年、自販機の設置台数で上位の成績を収め、販売目標も常にクリアしている実力者ですが、少し気難しい印象もあり、社内では距離を置いている人が多い人です。ですから石元さんとの同行は私も少し緊張していました。